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2006/10/28

「父親たちの星条旗」みた。

Seijyouki 原題『Flags of Our Fathers』・・・なぜ、星条旗が”複数形”なのか、観ればわかる。その理由には「はぁ?」ではあるが。しかも、その出来事によってドク・アイラ・レイニー3人の半生は大きく変貌し、自分の意思とは無関係に時代に翻弄させられてしまうことになるわけで。。。
(以下ネタバレあり、なのかな?)

写真とは、”真実と事実を写しだしたもの”と思っていたが、真実が事実ではなかったり、真実すら真実ではなかったりもするのだと認識を改める必要を感じた。今回の”星条旗を掲げた写真”は、ヤラセではない”正真正銘の本物”だというのに、見た者の心理(希望や願望等)から、真実でも事実でもない別のモノ(象徴)になってしまった。たった一枚の写真の影響力の凄まじさは侮れない。背筋が寒くなる。

たまたま星条旗を掲げたことで、たまたま生還していたことで、虚空の英雄に仕立て上げられた3人だったが、彼らは”英雄”のまま生涯を終えることはなく、その場限りの、単なる”英雄”という名のプロパガンダの役割を演じさせられただけとなった。その時の”英雄たち”には”英雄”になる以外の選択肢は無かったのだが。
その後の半生は三者三様だった。英雄であることを利用しようとした者、英雄を否定し変れなかった者、英雄の役割を全うすることですべてを封印した者。”英雄”に対するそれぞれの解釈がその後に人生になったように思えた。
そもそも戦争おける”英雄”ってなんだろう?誰のこと?
なんだか対象はあっても実体のない、”ブーム”に似ている気がした。

硫黄島での戦いの場面は目を覆いたくなる。姿の見えない敵からの攻撃は恐怖と混乱を引き起こし迷走するアメリカ軍。身を隠す場所すらない海岸では、なす術が無いまま的になるしかないアメリカ兵であり、姑息で残虐非道とも思える戦略を用いる日本軍のように描かれている。更に、日本兵には躊躇する描写がどこにも無い。アメリカ側の一方的な視点でみれば、そうなのだろう。しかし、日本軍にも硫黄島を死守しなければならない理由があるし、兵士には葛藤もある。

”硫黄島の戦い”は、そんな日本視点から描いた作品も公開予定。(『硫黄島からの手紙』12/9~) アメリカ・日本、それぞれの視点で一対をなす2部作品ということになる。
正義とは、決してひとつではない。そして戦争とは、白黒でも、善悪でも、裏表でもない。そんな2部作品になるのではないかと思う。

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コメント

こんばんは♪

3人の英雄に対する捉えかたが違いその後の人生に
それぞれ反映されててオモシロかったと言うか何と
言うか・・・
写真1枚で世論を動かせるってぇのも更に興味深か
ったです♪ (゚▽゚)v

投稿: 風情♪ | 2006/10/28 23:25

■風情♪さん、こんにちは♪♪
英雄を扱っているのに、英雄伝ではない、英雄の真の姿でしたね。
笑う、という意味ではなく、確かに面白く興味深鋳物でした。
写真は恐いですね。
見る人の心で変化しますしね。当たり前の事ながら改めて痛感しました。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/10/29 09:45

好きなんですよ、こういうタッチの映画。「ミリオンダラー・ベイビー」は、あまりにも重すぎてDVDを買って、もう一度観たい…とは思えなかったんですが、劇場では2回観ました。この映画も、もう一度観る予定です。28歳と22歳の息子がいると、彼らと同じくらいの年齢の兵士たちが、他人に思えないんですよ。(すっかり、おばさんだ)
こちらの映画では、敵として出てくる日本兵だって、若い兵士はいたはずで、飲まず食わずで、命がけで「人殺し」をしなくちゃいけないなんて、そんなことをさせる国家って、いったいどうなってるんだって思います。「ヒーロー」も需要と供給。二十歳そこそこの彼らを「戦争」ばかりか、プロパガンダや金集めの道具にしてしまう「大人(?)」は、命もかけないし、傷つくこともないんですよね? たまらない!

投稿: あかん隊 | 2006/10/30 18:35

■あかん隊さん、こんばんは♪
日米の視点どころか、文化や貧富(というのかな?)の差が歴然としているところなど、様々な面を見せ付けられた感じです。

私も、(予告からして)「ミリオン・・」のようにずっしりだったらどうしよう・・と思っていましたが、意外と優しいタッチのつくりだったので、じっくり観ることが出来ました。
平気で人殺しをさせるわ、連れて来ておきながら見捨てるわ、護るべき”国家”とは本当になんなのでしょうね。わけわかんないですよ。
「旗」を欲しかるアヤツには虫唾が走りました。実在・・なのでしょうか?
「硫黄島・・」は判りすぎて大泣きしそうです。
2部作ということですが、こちらはアメリカで公開したのでしょうか?
公開順は逆なのかな?・・とふと思った次第です。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/10/30 20:12

たいむさん、こんばんは♪
そうそう、ヒーローを作り出すのもブームを作り出すのも似てますよね。
必ず望む人がいて、仕掛ける人がいて、乗っちゃう人がいる。
しかも使い捨てだし。
彼らは茶番だと知っていてもそれに付き合うほかは無かったんですよね。
三人のその後にそれぞれの考え方が現われているのも興味深いことです。

投稿: ミチ | 2006/11/01 00:06

■ミチさん、こんばんは♪
茶番だと知りながらも、必要と感じたからツアーに参加したのだと、彼らの行動には理解できますよね。
それを黒い思惑でしかける上に対しては理解できませんが。
3者3様のその後と考え方は、そのまま志願前の3人そのままだったのではないだろうかと、今になって思ってます。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/11/01 18:33

>正義とは、決してひとつではない。
正義ってあるんでしょうか?
そもそも、正義って、なに?

正義といえば、先日「通話0円」をぶちあげた孫正義さんが、構成取引委員会から叩かれてたところをみると、現代日本では正義と公正では公正が勝つようです(笑)。

てなわけで、TB&コメントありがとうございました。

投稿: にら | 2006/11/02 00:02

■にらさん、こんばんは~♪
正義はですね、たくさんありますよ~。しかもそこかしこに。
「我こそ正義!」と言うだけでいいのですから(笑)

タダほど怪しいものはないっすね。
正義の味方は正義ではなかったようです。
本日の前面広告、読む気しねぇ~

ということで、コメントありがとうございました。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/11/02 18:47

こんにちはケントです。TBお邪魔します。
この映画は、テーマとしては素晴らしいし、二部作として日米それぞれの言い分を、公平に描こうとしている姿勢はりっぱだと思いました。ただレベルの低い自分には、いまいちドラマ性が感じられず、感情移入出来なかったのが残念です。

投稿: ケント | 2006/11/05 21:59

■ケントさん、こんばんは♪
双方の言い分を知らないままの批評はありえませんから、よくぞ両視点からの2部作を!と思ってます。
所詮人の作った映画ですし、好き好きはあるでしょう。
人それぞれですし、レベルとは無関係だと思いますよ~

投稿: たいむ(管理人) | 2006/11/06 18:08

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