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2006/08/08

『役割語』~新・日本語の現場より

またまた読売新聞掲載の『新日本語の現場』より、8月2-4日で紹介されていた『役割語』について。久々に気になった話題。

『役割語』って何だ?

「荒ぶる魂、早大ラグビー部」に広がっている”九州弁”は『役割語』だというところから始まる。九州弁を九州人でもないのに使うことにまったく抵抗がない。それは強靭な男くさい言葉である九州弁を使うことによって、”士気を高める”効果、役割を果たすということなんだそうだ。(わかったような、わからないような)

『役割語』とはおそらく造語。
大阪大学大学院教授:金水敏氏の著書に「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」というものがあるらしい。そのなかで、「特定のキャラクターと結びついた、特徴ある言葉使い」と定義されているとのこと(この方が作語者かな?)。
例えば、「そうです、私が知っています」という言葉も、「そうじゃ、わしが知っておるんじゃ」のように「~じゃ」「わし」のような言葉がつけば、自然に”博士風(老人)”と感じられてしまうようなこと。同じ言葉でも、
「そや、わてが知っとるでえ 」・・・関西人風
「そうじゃ、拙者が存じておる 」・・・侍風
「そうアルよ、ワタシが知ってるアルよ 」・・・中国人風
(どうして「~アル」がそうなのかは不明だけどw)
「んだ、おら知ってるだ」・・・田舎者風

とちょっと変えるだけで、様々な人物像に代わっていく。言葉そのものが人物紹介の役割を兼ねている。(なるほどなぁ。だから”役割”語なわけか。やっと納得!)
確かに日本人ならカナリ高い確立で同じような人物像を思い描いてしまうだろうしね。

「~じゃ」も、そもそもは上方ことばであり、上方の老人たちが江戸に移住しても尚ことばを変えずに使い続けた為に、そのカタチが残ったものと推測されている。
けれど、実際にこんな言葉を喋る”博士”はいないよね(笑)
完全に創り上げられたイメージ。にもかかわらず、説明なしでも受け入れられるという便利な言葉(の使い方)。ほんと面白いものだ。

『役割語」を検索したら、やはりというか当然というか、この金水氏関連のページばかりヒットしてしまった。読んでみるとなかなか興味深い。機会があったら書店の店頭でちょっと探してみようかな。

『新日本語の現場』の〆としては、「方言の持つ印象が登場人物の人となりを象徴することが確かにある」とされていた。”ベニスの商人(シャイロック)”を関西弁で翻訳したら・・・商人だけにしっくりきそうなー(笑)
”九州弁=強い男の印象”に対して、”関西弁=ケチな印象”??さてさて(笑)

余談:「~ですわ」も間違いなく役割語。一般的には”お嬢様風”となるだろうけど、私の場合、今それにジャストミートする人物はただひとり。あの方のみ!

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コメント

こんばんは!
「~わ」って、関西弁でも使いませんか?(爆)
「そら、あきまへんわ」とか。

役割語でもないですが、普段は、普通に会話しているのにケンカになると、やたら丁寧語になったりするのは、おもしろいですよね?
激怒すると丁寧語から一変、罵声になるから、このあたりの変化も不思議だなぁって思います。

投稿: あかん隊 | 2006/08/09 22:57

■あかん隊さん、どもども♪

>「~わ」
おお、言いますね、そういえば。
例題で、
「~ですわ。~でなくってよ」は女性用(お姫様語・お嬢様語)のように使われていたので失念。
これは関西弁でいうところの丁寧語の一種みたいなものなのかな?「わ」を語尾につけるだけで断定口調から、やわらかくなる感じがするし。

ケンカのときに丁寧語になる・・・うんうん。それもあるある。TV討論会なんかだと見事にそんな感じ(丁寧→罵声)だったような(爆)
こういうのは馬鹿馬鹿しくって周囲は苦笑いするしかなさそうだわ。

役割語もそうだけど、幼い頃からのすり込みか何ですよね、きっと。TVドラマとか、マンガとか、アニメとか、そんなものの影響。
ケンカの言葉使いも案外そういったところから来てるのかも知れませんね。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/08/09 23:27

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