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2006/06/08

「花よりもなほ」みた。

Hana_naho まず、面白かった。好きだなぁーこういうの。
ぼけぼけの、ほのぼのだったり、ぴりぴりの、ちくちくだったり、笑いの中にもしりあすちっくなスパイスも散らされた、でも基本的には軽快な音楽のとおり、明るくて楽しい作品だった。
”仇討ち”が武士(もののふ)の誉よ、美学よと、もてはやされ賞金まで出ちゃうご時勢。
「父が討たれた、それ長男よ、仇討ちに行け!」と、当たり前のように言われてもねぇ。自分の実力を知っていたらまず考えなくはない・・・「死ぬのはどっちだ?」
(以下ネタバレあり)


”仇討ち”という、所謂”憎しみの連鎖”にも似た、無駄な殺し合い。
同じ時、同じ場所に、仇討ちをしたがっている者(赤穂浪士)と仇討ちをできればしたくない者(宗左衛門&おさえ親子)が居るわけで、その行動の対比がなんともいえない可笑しさを醸し出していた。その長屋を取り巻く個性的な人々がまたいいし。

お笑い要素満載なのだけど、話の引き締めどころもちゃんとある。
”仇討ち”といえども、これもひとつの人殺し。
本当に”殺す”ということの大変さや、”殺される”ということのもっと大変さが、そで吉によって語られた。「やるだけやって潔く散ろう」そんなのは口先だけの建前でしかないということ。憎まれ口ながら、本当は宗左衛門の仇討ちをやめさせたいと思う気持ちからの、単なる作り話かと思いきや、自分の経験からついクチに出てしまった事だったと知った時はホロリ。
「やっぱり仇討ちはしたくない。すべきことではない。」 結論は出ても、武家である限り、不名誉もまた困る。それを回避する手段、、、なんとも上手いことを考えたものだ(笑)
その愉快な仇討ち成就後、そで吉と宗左衛門との間で再び交される会話がいい。「バラバラ」と「死闘」、これにはついつい笑みがこぼれた。

天下泰平の江戸時代。「仇討ち」に賞金だなんて、これも一種の平和ボケなのかな?どこかに刺激を求めている民衆、という感じか。賞金の100両の出所をだーれも考えないっていうのがなんともね。これって簡単に言えば公金、つまり税金なわけでしょ?

個性的な面々。
私としては、「叔父上」が一番ツボだった。何がってあの色ボケぶり・・ではなく、別れ際の言葉で株が急上昇w。

寺子屋のお習字。
「いろは」「ひなまつり」からはじまって、「ほたる」、「すずむし」(だったはず)、「たこあげ」など。季節の移り変わりを何気なく”字”で見せる、という演出も好きだなぁ。

総評:★★★★☆   オススメ度:★★★★☆

テーマを真面目に考えれば、ちゃんとメッセージも伝わるし、ただ楽しく笑ってみることもできる、そんな作品だと思う。

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コメント

こんばんは。コメントありがとうございました!
なかなか、巧妙にできた映画でしたね。キャストも豪華でした。いろんなキャラクタを「まるで子どもを観察する」かのような雰囲気があって、観客側も、必要以上に特定の人物に感情移入することなく、冷静に楽しむことができたように思います。是枝監督らしさかな、とも。(^^;)
たいむさんが、こうした映画を高く評価されるのは、少し意外な感じもしますが。そういえば『大停電の夜』の評価も高かったな、と思いだしました。ふむふむ、なんとなく、解るような気もしてきました。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2006/06/08 22:02

こんばんは~。
報復というテーマを描く作品は多いですが、このようにさりげなく示されると、うなりますね~。
スピルバーグに見せたい。あ、問題発言?…爆
「叔父上」…なかなか臭かったし…笑
音楽と岡田君に惹かれて見たのですが、たまには腰の弱いそばもゆるいギャグも、花よりだんご気分で堪能するのもいいなあ~と思いました。^_^;

投稿: charlotte | 2006/06/08 22:19

叔父上 確かにツボですね(笑)
今日は、ついついメーキング借りてきてしまいました。
実は結構気に入ったサントラが堪能できるとの情報得て♪
メーキング映像もなかなか楽しく、昨日の映画思い出しながら
楽しんでしまいました。

投稿: にゃんこ | 2006/06/08 23:29

■あかん隊さん、こんばんは♪
意外ですか?(笑)
>ふむふむ、なんとなく、解るような気もしてきました。(^^;)
私自身、よくわかってないかも?(汗)・・・感覚的な好き嫌い。

時代劇って結構好きだったりします。
「剣客商売」とか「鬼平犯科帳」とかは特に。
「仕事人シリーズ」も好きだし「腕におぼえあり」とかも。みんな古いぞ!(意味が違うかw)

「ぷっ。」って吹き出す程度のバカなんだけど、馬鹿過ぎなのは好きですねー。


■charlotteさん、こんばんは♪
光ゲンジの次はV6(笑)・・なんか違うぞw
>このようにさりげなく示されると、うなりますね~。
未だにハマっているアニメ(ガンダム)で考え続けた「憎しみの連鎖」
断ち切れなくてどれだけ苦しい思いをしたか(笑)
こうサラッと言われちゃうと、「そーだよねー」なんて簡単に考えられちゃうんですけどねぇ。

>花よりだんご気分で堪能するのもいいなあ~と思いました。^_^;
こういうだんごが不思議と美味しかったりするんですよねw


投稿: たいむ(管理人) | 2006/06/08 23:37

■にゃんこさん、こんばんは♪
>ついついメーキング
なんだか面白そうですね。
もともとサントラ好きの私としては、そちらが気になりますね。
ちょっと探してみようかな?

>叔父上
しん坊が8歳なのにいろいろ納得している叔父上がなんとも(笑)
わかっていてボケてるんですよね、アレ(爆)

投稿: たいむ(管理人) | 2006/06/08 23:41

こんにちは♪
たいむさんと同様こういうの大好きです!
復讐の連鎖を断ち切るときって発想の転換もいるし勇気も必要ですよね。
仇討ちの入れ子の仕組みが上手いと思いました。
HPもスタッフの遊び心満載で楽しかったですよ!

投稿: ミチ | 2006/06/09 13:17

■ミチさん、こんばんは♪

>復讐の連鎖を断ち切る
ひとと違うことをしようとすることは大変ですよね。
それをどう昇華させるのか、そこも考えなくてはだし。

ミチさんと好みが似ている・・というのは、私も密かに感じてました(おそれおおくも笑)
なんか嬉しいです。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/06/09 17:52

コメント有難うございます!

観る前は「どうだろう?」と少しの不安がありましたが、以外にはまっていましたね。
あの声のトーンで演技をしている岡田君を見たことがなかったので、新しい演技の幅も広がったと思います(^-^)

ここ数年は時代劇の当たりが多くて嬉しいですね☆

投稿: マッキー | 2006/06/09 20:02

>”仇討ち”という、所謂”憎しみの連鎖”にも似た、無駄な殺し合い。

まるで、どこかのアニメショーンにも似たシュチュエーションですね。(笑)
ちょっと耳が痛かったりして…。

でも、赤穂浪士の討ち入りと、対比させながらストーリーが進む所は、見事な演出ですね。
笑いが多くて、一見コメディの様なのだけど、以外のメッセージ性の強い作品ですね。

投稿: nicK_right | 2006/06/10 20:12

こんばんは♪

>季節の移り変わりを何気なく”字”で見せる
うわ~そこまで全然気がつかなかったです・・・。
段々と字が上手くなっていっているのだけは
気がついたんですがね・・・r(^^;)
ボクも叔父貴が一番ツボでした♪

投稿: Notorious♪ | 2006/06/10 22:56

■マッキーさん、こんばんは♪
俳優としての岡田君は結構好きです。

>ここ数年は時代劇の当たりが多くて嬉しいですね☆
ほんとそうですよね。
勧善懲悪だけが時代劇じゃない!
今後も良いものが沢山登場することを願いたいですね。


■nick_right さん、こんばんは♪
>どこかのアニメショーンにも似たシュチュエーション
ここでの言い回しはそれを彷彿させる書き方にしました(笑)
アチラは悩み苦しんで苦しんで苦しんで・・・あすらん(笑)個人レベルと国レベルじゃ大きく違うけどw
こちらは意外にあっさり。難しく考えないほうが本当は”納得”なのかもしれませんね。

赤穂との対比は途中でアイディアが浮かんで書き直した・・とううようなことを監督がインタで答えてました。お見事でしたね!

>以外のメッセージ性の強い作品
社会派時代劇ってヤツですねw


■Notorious♪ さん、こんばんは♪
>段々と字が上手くなっていっている
これも感じましたね。
筆使いはどんどんと上達(爆)
”にげあし”とか朱書きで足してある張り紙とか、見せる笑いも多数。
こういう芸の細かいところがすごく好きです。


投稿: たいむ(管理人) | 2006/06/11 00:17

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