「立喰師列伝」みた。
『押井守監督の、押井守監督による、押井守監督ファンのための映画』
まさにそんな感じだった。
戦後の日本の歴史と、架空の”立喰師”の所業を掛け合わせ、その独特な世界と現実世界とを重ねあわせて最初から最後まで面白可笑しく、しかも大真面目に斬りまくり。皆どこかで思っていることを、かといって口に出して言うほどのことでもない些細なことまで、淡々と語りまくるナレーションには何度「あるある」と頷いた事か(笑)
また裏には食文化の変遷から見える現代社会への警鐘ともいえる壮大なテーマが見え隠れするという押井ワールドが全開。
とにかく、伝説の立喰師《月見の銀二》の「説教」-「景色」-「啓蒙」からはじまり、最終的には「都市伝説」に辿り着くわけで、その不思議ワールドは留まることを知らない。
立喰師と店主・店員のやり取りを見て、
月見うどんの卵、私も汁は熱いのを後で上からかけて欲しい。
コロッケをうどんのツユに浸す??? これは一般的なことなのだろうか?
牛丼をいつも”ツユダグ”で注文する私は邪道だろうか?
ハンバーガーの追加オーダーは何故”ばぁがぁ、ないんてぃしっくす、ぷりーず”なのだろうか?
カレー屋の店主の”インド人には「チキンカレー」”という心遣いが素晴らしい。でも私は辛口がいいぞ。
などと、何故か自分に当て嵌めて考えて見ていることに途中で気がつく(^^;)
この作品観たあと、この中の何かが食べたくなる、という噂は本当のようだ。
結局、夜食に食べたのは。。。。。。ラーメン(←おぃっ!)
『・・が、しかし、時間的な罠と、昨今に於ける寝不足的状況下では、何度となく睡魔という見えない敵に襲われるのは道理であり、ゴトシとしても自己の意識を維持し続けることが到底困難だという事は間違いないだろう。が、しかし・・・』(なんちゃってw)
内容は面白いのだけど、あまり動かない映像と抑揚が無く果てしなく続くと思われるナレーションでは、元気な時でないと厳しいかもしれない。ただでさえ暗い(あたりまえだ)。
そんな中で、山寺さんと榊原さんの電話のシーンがなんか印象的だった。
「・・・でもお前、立喰師なんてまだやってるんだろう?・・・でもお前、立喰師。。。」
そして、・・・ガンダム、と言っても差し支えないでしょう。(笑)
本当にあの帽子をかぶり、あのTシャツを着ると、あのシルエットになるのだろうか?(もちろん目は光らないだろうがw) とても興味深かった。(結局はそこか?爆)
それから、都市伝説の「耳ピアス、白い糸、引っぱると失明」とか「サザエさん・ドラえもんの恐るべき最終回の話」にこっそり爆笑。(この頃には目も冴え冴え。でもやっぱりどうでもいいことばかりを考えるw)
この映画、一体どうやって終わらせるんだろう?と思っていたら、ちゃんと初めから伏線が用意されていた。
冒頭で「What are you doing here?」と”G.I.”に訊ねられ、無言だった《月見の銀二》の返答が物語を締め括った。 (「・・・・・・!」答えは劇場もしくはDVDで確認を。ヒント:月)
映像から、構成から、何から何まで不思議な作品だった。これは好き好きなんだろうなぁ。
壮大なテーマの全てを鑑みるには・・・DVDでゆっくり鑑賞することをオススメしたい感じ。(膨大な情報量を含んでいるので)
総評:★★★☆☆ オススメ度:★☆☆☆☆+
ということで、どちらかといえばDVDでの鑑賞がベターな気がする。
最後に、「山寺さん、お疲れ様でした。」と心から言いたい。
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コメント
たいむさんこんばんわ♪TB有難うございました♪
押井節が全開の作品でしたねー(^▽^;)今までの作品の中ではちょっと特殊でしたけど、確かに元気がある時に観に行かないと睡眠映画になりそうですね。自分、後ろで観ていたので『落ちた』人がはっきり見えていましたw(首が傾いてたり下がってたりと・・・)
都市伝説も結構笑えましたね。サザエさん一家のの最後は自分も聞いた事があったので、思い出し笑いしてました♪
投稿: メビウス | 2006/06/08 22:05
■メビウスさん、こんばんは♪
私もガンダムがなければ落ちたかもしれません。(笑)
>サザエさん一家のの最後
「磯野家の謎」なんて本がベストセラーになりませんでしたっけ?
それから、その手の解読本が横行(笑)
DVDでならもう一度見てもいいかもしれませんが、暗いとまずいかも、やっぱり(爆)
投稿: たいむ(管理人) | 2006/06/08 22:29