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2006/05/19

「ナイロビの蜂」みた。

Nairobi 活動家だった妻の疑問の残る死に陰謀や策略の影を見た夫。
現在と、過去と、回想とを交えながら事件の真相に迫るというサスペンスタッチに描かれた作品であり(スリルこそないけど)どんどんと引き付けられていった。
自らも蠢く陰謀の渦中に身を投じ、命懸けで謎を追求していくことによって、改めて真実愛する妻を見つけだす夫の姿に心が打たれた。
また、アフリカの大自然とそこに生きる人々の現実。まだまだ私には知らないことが多すぎるようだ。

(以下ネタバレあり)

これは戦争ではない。けれど無関係な人間が、まったく無関係な人間を殺すことが当たり前のように行われてしまうのは何故だろう?両者の間には殺したり殺される理由など何処にもないというのに。

テッサの事故死は確かに殺し屋の手によって謀られたものだった。
けれど、本当に彼女を死に至らしめたのは、罪の意識の欠片もない巨悪な組織であり、そこに少しずつ関わった人間たちの、少しずつの言動。
『殺すなんて思っていなかった』
関わった誰もがその結果に困惑する。それでも自分の手を汚していない、自らの手を血に染めていないがために自らが加害者の一人であるという自覚に欠け、罪悪感も気迫な人々。むなしさを感じずにいられない。

ジャスティンの、テッサの死の直前の行動の追体験よって、彼女が追っていた”薬”に関する実情やそれにともなう策謀、官僚と企業の癒着など事件の全貌が徐々に明らかになっていく。
ジャスティンを愛するが故、彼を守るために事実をスキャンダルとして暴露するのではなく、”交渉”という手段を選択したテッサ。どちらにしても自らに危険を招き入れるという行為ではあった。そうと言わず語らず、ジャスティンに誤解をされるのを何よりも恐れながら、それでも正義のためならば”手段を選ばない”自らの行動を自己嫌悪するテッサの真実の想いが痛かった。

薬の無償提供。その実情は”新薬の人体実験”にほかならないだなんて!・・・(絶句)
アフリカのスラム街。劣悪な生活環境。飢えや病気に苦しむ過酷な現実を見せられ、そして力に屈服することしか出来ない彼らだということを、彼ら自身が知っているということに胸が締め付けられた。

全てを知り、それでもテッサと同じ道を行くことを決めたジャスティン。信頼できる友に全てを託し、テッサや友の思いは成就することだろう。けれど自分は”HOME”へテッサの元へ帰るというジャスティン。
真実の愛は生きていてこそのもの。あの結末が良いのか悪いのか、私にはわからない。

総評:★★★★☆  オススメ度:★★★☆☆

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コメント

こんばんは
組織という大きな力の前にはどんなに情熱を持って訴えても届かないものなのでしょうか…
薬というものも世の為人の為だと思うのですが、やはり組織が大きくなるとそういう事が希薄になっていくのでしょうね。
むなしさばかりが残ります。このようなことが実際にあるとして、その恩恵に与っているのは先進国である我々は何も言えないというのも本当に心苦しいところです…
テッサはあくまでも前向きであろうとしたと私は受け止めたので、ラストはやはり受け入れがたかったです。
私はどうもラブストーリーとしては見れなかったので、サブテーマの方が心に重くのしかかってきました。

投稿: charlotte | 2006/05/19 23:50

こんにちは♪
最近第三世界を舞台にした作品がとても多いですよね。
「植民地」というものは無くなったとはいえ、先進国による搾取は相も変わらず開発途上国からなされています。
もちろん救援の手も差し伸べられているとは思いますが。
アフリカの厳しい現実を見ながら、二人の愛にも思いを馳せ、また、サスペンス性に目が釘付けでした。

投稿: ミチ | 2006/05/20 08:44

■charlotteさん、こんばんは♪
コメント感謝です。
>その恩恵に与っているのは先進国である我々は何も言えないというのも本当に心苦しいところです…
薬でもなんでも、何かの犠牲によって成り立っているものは沢山有りますよね。
その事実を一般人は知らなすぎるし、知る機会すらほとんどないのかもしれません。

私もどちらかといえば、恋愛要素よりサブテーマに心が持っていかれました。

■ミチさん、こんばんは♪
いつもありがとうございます。
搾取と救援、これもひとつの裏表なのかもしれません。
「製薬会社は武器商人と同じ」
この言葉がなんだかずっしりと重たく感じました。
いろいろ思いつつも、ストーリーにどんどん引き込まれていった私でした。


投稿: たいむ(管理人) | 2006/05/20 20:48

たいむさん、今晩は☆
ラブストーリーの面と、社会派のサスペンスな面とが巧く絡んでいたなぁ~と思います。
また、アフリカの実情がリアルで胸に突き刺さりました。
アフリカは先進国によって食い物にされているという事実。
その中でも力強く生きている人々の姿に、哀切が漂う音楽も相まって心に痛かったです。
とても見応えのある映画でした。^^

余談:「テニス~」評判良いみたいですね。
レディースデイならありか?とも思うんですが、DVDでも…
とっても心が揺れています(笑)

投稿: ルーピーQ | 2006/05/21 00:06

■ルーピーQさん、こんにちは♪
とても見応えがありましたねー。
アフリカという過酷な土地柄とそれすら利用した先進国の非道な行い。
善意という名の大量殺人もあるんだなぁとはじめて知り、なんとも言えない気分でした。
けれど、そこで救われた命も確かにあるわけで、難しいですね。

余談もどうもですww
揺れてはいますが、たぶん私はDVDかなw


投稿: たいむ | 2006/05/21 15:48

コメントありがとうございます。
少し返事が遅れましたが・・・(^^;;

いやぁ~・・私も最後の結末はあれでよかったのか悪かったのかすごい難しいですが・・。
辺に中途半端というか、なんというか・・・・

アフリカという国がどういうところかわかったような気がします。
映画の内容じたいは結構暗いですが・・(;´▽`A``

投稿: えみたん | 2006/06/04 17:59

■えみたんさん、こんばんは♪
アフリカは広いですね。
遠くて、馴染みがあまりなくて、知らないことばかりです。

結末にはどこか納得できない私ですけど、ぜんたいとしてグット来る作品でした。

テッサ・・レイチェル・ワイズの本当の赤ちゃんが生まれましたね。
死産でなくて良かった(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2006/06/04 22:57

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