「ナイロビの蜂」みた。
活動家だった妻の疑問の残る死に陰謀や策略の影を見た夫。
現在と、過去と、回想とを交えながら事件の真相に迫るというサスペンスタッチに描かれた作品であり(スリルこそないけど)どんどんと引き付けられていった。
自らも蠢く陰謀の渦中に身を投じ、命懸けで謎を追求していくことによって、改めて真実愛する妻を見つけだす夫の姿に心が打たれた。
また、アフリカの大自然とそこに生きる人々の現実。まだまだ私には知らないことが多すぎるようだ。
(以下ネタバレあり)
これは戦争ではない。けれど無関係な人間が、まったく無関係な人間を殺すことが当たり前のように行われてしまうのは何故だろう?両者の間には殺したり殺される理由など何処にもないというのに。
テッサの事故死は確かに殺し屋の手によって謀られたものだった。
けれど、本当に彼女を死に至らしめたのは、罪の意識の欠片もない巨悪な組織であり、そこに少しずつ関わった人間たちの、少しずつの言動。
『殺すなんて思っていなかった』
関わった誰もがその結果に困惑する。それでも自分の手を汚していない、自らの手を血に染めていないがために自らが加害者の一人であるという自覚に欠け、罪悪感も気迫な人々。むなしさを感じずにいられない。
ジャスティンの、テッサの死の直前の行動の追体験よって、彼女が追っていた”薬”に関する実情やそれにともなう策謀、官僚と企業の癒着など事件の全貌が徐々に明らかになっていく。
ジャスティンを愛するが故、彼を守るために事実をスキャンダルとして暴露するのではなく、”交渉”という手段を選択したテッサ。どちらにしても自らに危険を招き入れるという行為ではあった。そうと言わず語らず、ジャスティンに誤解をされるのを何よりも恐れながら、それでも正義のためならば”手段を選ばない”自らの行動を自己嫌悪するテッサの真実の想いが痛かった。
薬の無償提供。その実情は”新薬の人体実験”にほかならないだなんて!・・・(絶句)
アフリカのスラム街。劣悪な生活環境。飢えや病気に苦しむ過酷な現実を見せられ、そして力に屈服することしか出来ない彼らだということを、彼ら自身が知っているということに胸が締め付けられた。
全てを知り、それでもテッサと同じ道を行くことを決めたジャスティン。信頼できる友に全てを託し、テッサや友の思いは成就することだろう。けれど自分は”HOME”へテッサの元へ帰るというジャスティン。
真実の愛は生きていてこそのもの。あの結末が良いのか悪いのか、私にはわからない。
総評:★★★★☆ オススメ度:★★★☆☆
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» ナイロビの蜂 [ネタバレ映画館]
まさか!テッサ(レイチェル・ワイズ)がいきなり死ぬなんて・・・ひょっとすると双子の妹が現れてジャスティン(レイフ・ファインズ)の調査を手伝うのかと思ったよ・・・ [続きを読む]
受信: 2006/05/19 23:36
» ナイロビの蜂 [シャーロットの涙]
第28回アカデミー賞 助演女優賞受賞(レイチェル・ワイズ) 脚色賞、作曲賞、編集賞ノミネート
第63回ゴールデングローブ賞助演女優賞受賞(レイチェル・ワイズ) 作品賞・ドラマ部門、監督賞ノミネート
アフリカの空気がのどの渇きを激しく助長してくる。
水という愛情で潤したいと思いつつオアシスを探し歩き、たどり着いた果ては…妻との愛だけが男の帰る家だった。
活動家だった妻と趣味がガーデニングの夫。突然の妻の訃報にひとり残される... [続きを読む]
受信: 2006/05/19 23:39
» 『ナイロビの蜂』観て来ました! [☆★☆風景写真blog☆★☆healing Photo!]
『ナイロビの蜂』鑑賞レビュー!
原題▶The Constant Gardener
後援::::国連世界食糧計画 (WFP)
きっかけは、妻の死。
たどり着いたのは、妻の愛。
雄大なアフリカの大地を舞台に
喪失感の只中に満ちてくる愛の奇跡—。
本年度アカデミー賞4部門ノミネート!
世界が絶賛し涙した、壮大なラブストーリー
製作年▶2005年
製作国▶アメリカ
公開日▶2006年5月13日
全国ロードショー
上映時... [続きを読む]
受信: 2006/05/20 00:04
» 映画「ナイロビの蜂」 [ミチの雑記帳]
映画館にて「ナイロビの蜂」
雄大なアフリカの大地を舞台に描かれる夫婦の愛、製薬会社を巡る陰謀のサスペンスに目が離せない2時間だった。
救援活動家で情熱的なテッサ(レイチェル・ワイズ)とガーデニングを愛する物静かな英外交官ジャスティン(レイフ・ファインズ)は出会ってすぐに恋に落ち結ばれる。アフリカ行きが決まったジャスティンに彼女は逆プロポーズをする。この時点ではジャスティンは「まだお互いを知らない」と腰が引けた状態だったし、テッサには愛情よ�... [続きを読む]
受信: 2006/05/20 08:38
» ナイロビの蜂 [Akira's VOICE]
渇いた大地から届く,深い愛のラブストーリー。
[続きを読む]
受信: 2006/05/20 11:06
» ■ナイロビの蜂 [ルーピーQの活動日記]
英国外務省一等書記官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は、ナイロビの空港からロキへ旅立つ妻テッサ(レイチェル・ワイズ)を見送った。しかし2日後に帰ってくる筈だったテッサは、車で出かけたトゥルカナ湖の南端で殺され永遠に帰らぬ人となる。警察はよくある殺人事..... [続きを読む]
受信: 2006/05/20 23:57
» ナイロビの蜂(映画館) [ひるめし。]
地の果てで、やっと君に帰る。
CAST:レイフ・ファインズ/レイチェル・ワイズ/ユベール・クンデ/ダニー・ヒューストン/ビル・ナイ 他
■イギリス産 128分
ラブストーリー要素と社会派サスペンス要素を両方あわせ持ったけっこうずっしりくる作品。
食べ物でいえばカツカレーみたいな感じかしら?(カツとカレーを同時に食べれてハラもちが良い)
レイチェル・ワイズはこの作品でアカデミー賞を受賞!
でも映画始まった途端�... [続きを読む]
受信: 2006/05/21 10:13
» 映画「ナイロビの蜂」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:The Constant Gardener
アフリカ・ナイロビで、3人に一人が死ぬという結核のための新薬の人体実験が・・人命を軽々しく扱う巨悪に立ち向かい、不正を暴こうとするが・・。
ケニア・ナイロビの英国外交官ジャスティン・クエイル(レイフ・ファインズ)が妻テッサ・クエイル(... [続きを読む]
受信: 2006/05/21 11:54
» 『ナイロビの蜂』 [京の昼寝〜♪]
地の果てで、やっと君に帰る。
■監督 フェルナンド・メイレレス■脚本 ジェフリー・ケイン■原作 ジョン・ル・カレ(「ナイロビの蜂」)■キャスト レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ダニー・ヒューストン、ピート・ポスルスウェイト、ユベール・クンデ□オフィシャルサイト 『ナイロビの蜂』 それは、しばしの別れのはずだった。英国外務省一等書記官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は�... [続きを読む]
受信: 2006/05/21 16:28
» ナイロビの蜂 (米国盤DVD) [映画と本と音楽にあふれた英語塾]
原題: The Constant Gardener (2005)
2006年5月13日 日本初公開
公式サイト: http://www.nairobi.jp/
ゴウ先生総合ランキング: B+
画質 (ビスタ): A-/B+
音質 (ドルビーデジタル5.1ch): A-
英語学習用教材度: A-... [続きを読む]
受信: 2006/05/22 17:19
» 『ナイロビの蜂』in伊丹 [☆えみたんの日記帳☆]
映画「ナイロビの蜂」を見てきたよ(#^_^#) ナイロビの蜂の鑑賞券があったから、ぶっちゃけタダで見たんだけどね(^^) お買い物ついでに映画も見てきたんだけど、、、、、 あまりどういう内容か知らなくて見てみたんだけどね(笑) ストーリー 英国外務省の外交官ジャステ..... [続きを読む]
受信: 2006/05/29 11:47
コメント
こんばんは
組織という大きな力の前にはどんなに情熱を持って訴えても届かないものなのでしょうか…
薬というものも世の為人の為だと思うのですが、やはり組織が大きくなるとそういう事が希薄になっていくのでしょうね。
むなしさばかりが残ります。このようなことが実際にあるとして、その恩恵に与っているのは先進国である我々は何も言えないというのも本当に心苦しいところです…
テッサはあくまでも前向きであろうとしたと私は受け止めたので、ラストはやはり受け入れがたかったです。
私はどうもラブストーリーとしては見れなかったので、サブテーマの方が心に重くのしかかってきました。
投稿: charlotte | 2006/05/19 23:50
こんにちは♪
最近第三世界を舞台にした作品がとても多いですよね。
「植民地」というものは無くなったとはいえ、先進国による搾取は相も変わらず開発途上国からなされています。
もちろん救援の手も差し伸べられているとは思いますが。
アフリカの厳しい現実を見ながら、二人の愛にも思いを馳せ、また、サスペンス性に目が釘付けでした。
投稿: ミチ | 2006/05/20 08:44
■charlotteさん、こんばんは♪
コメント感謝です。
>その恩恵に与っているのは先進国である我々は何も言えないというのも本当に心苦しいところです…
薬でもなんでも、何かの犠牲によって成り立っているものは沢山有りますよね。
その事実を一般人は知らなすぎるし、知る機会すらほとんどないのかもしれません。
私もどちらかといえば、恋愛要素よりサブテーマに心が持っていかれました。
■ミチさん、こんばんは♪
いつもありがとうございます。
搾取と救援、これもひとつの裏表なのかもしれません。
「製薬会社は武器商人と同じ」
この言葉がなんだかずっしりと重たく感じました。
いろいろ思いつつも、ストーリーにどんどん引き込まれていった私でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2006/05/20 20:48
たいむさん、今晩は☆
ラブストーリーの面と、社会派のサスペンスな面とが巧く絡んでいたなぁ~と思います。
また、アフリカの実情がリアルで胸に突き刺さりました。
アフリカは先進国によって食い物にされているという事実。
その中でも力強く生きている人々の姿に、哀切が漂う音楽も相まって心に痛かったです。
とても見応えのある映画でした。^^
余談:「テニス~」評判良いみたいですね。
レディースデイならありか?とも思うんですが、DVDでも…
とっても心が揺れています(笑)
投稿: ルーピーQ | 2006/05/21 00:06
■ルーピーQさん、こんにちは♪
とても見応えがありましたねー。
アフリカという過酷な土地柄とそれすら利用した先進国の非道な行い。
善意という名の大量殺人もあるんだなぁとはじめて知り、なんとも言えない気分でした。
けれど、そこで救われた命も確かにあるわけで、難しいですね。
余談もどうもですww
揺れてはいますが、たぶん私はDVDかなw
投稿: たいむ | 2006/05/21 15:48
コメントありがとうございます。
少し返事が遅れましたが・・・(^^;;
いやぁ~・・私も最後の結末はあれでよかったのか悪かったのかすごい難しいですが・・。
辺に中途半端というか、なんというか・・・・
アフリカという国がどういうところかわかったような気がします。
映画の内容じたいは結構暗いですが・・(;´▽`A``
投稿: えみたん | 2006/06/04 17:59
■えみたんさん、こんばんは♪
アフリカは広いですね。
遠くて、馴染みがあまりなくて、知らないことばかりです。
結末にはどこか納得できない私ですけど、ぜんたいとしてグット来る作品でした。
テッサ・・レイチェル・ワイズの本当の赤ちゃんが生まれましたね。
死産でなくて良かった(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2006/06/04 22:57