小説版:機動戦士ガンダムSEED DESTINY(5)-選ばれた未来(another編)
そのた・・・ゴメン(^^;) アスラン以外はもうその他(笑)
だいぶ時間もたっちゃったけど、「つづく・・」にした限り、完結させないと気持ち悪い。
やっぱり超長文。そうならないようにあとは男性編と女性編にしようと思っていたのだけど...。とにかく覚悟してどうぞ!(アスラン編はコチラ)
●タリア
クルーをまとめる役目の彼が、誰よりうろたえていてどうするのだ。
毎度、タリアの本音的”アーサー評”は手厳しい、5巻でもやってくれました。
そんな彼に、最後を頼んじゃうタリアって(^^;)
「悪いわね」で済まされたクルーはさぞかし「・・・・」だっただろうなぁ、心の中では。
罵りあい、涙にくれるような愁嘆場はなかった。だから気がつかなかった。彼の絶望の深さに。あの過去が彼の理想に暗い歪みを生じさせ、自らの想いを拒んだ世界への憎悪をかき立てたのだと想像するのは、果たして穿ちすぎだろうか?
デスティニープランを発表する議長に、隠された真実を悟るタリアだろう。
まさか本気で地球を撃つはずがない。それでは恐怖で地上に君臨しようとする暴君そのものではないか。自分が愛した男がそんなケダモノであるはずがない。タリアは自分に言い聞かせた。
よもやそんな馬鹿な。と信じ難い思いが、いよいよ確信へといたる部分。
負けた・・・反射的に悔しさがこみあげ、彼女はふと、そんな自分に奇異の念を抱く。意固地に軍人としての範を守り、愛した男を疑いつつもその言葉に従い---だが、結局のところ自分はただ、負けるのが嫌だったのかもしれない・・・
議長の罪が決定的となり、しかし、悪いのは彼だけかではなく、彼を追い込んだのは紛れもない自分であり、自分もこの罪に加担していたと認め、最期を共にする覚悟を決心する、という流れが段階を追ってよく描かれている。
●ルナ・マリア
そうか、そうだ。こんなふうに動揺させるためにしくんだ、敵の策略であることは否定できない。
ただ、自分は・・・あのキラたちが正しいという可能性におびえているだけ。もし彼らが正しいなら・・・自分たちが---シンが討ったものは?・・・・ルナマリアのその先を考えないようにした。
「二人のラクス」の登場のとき、知っていたはずのルナのその後の言動は理解しがたかった。小説では、アスランとキラ達の密会が頭をよぎりながらも、レイの言葉によって打ち消され、またその言葉に不安を感じながら思考を止めるルナ。という描かれ方になっている。
メイリンとアスランのこと。自分の迷いをシンに話して、そしたらなにか、別の答えがみつかるかもしれない。でもここではできない、レイの監視の下では。・・・監視だなんてばかげてる。
どこかレイの視線に冷たいものを感じ、シンがレイによって正確無比の戦死に仕立てあがられているのではないかという疑念は持ちつつ、またもや心で否定。
これが伝説のエースの力?格の違いをまざまざと見せつけられ、黙り込むルナマリア。
戦いたくない、私だってそうだ!・・なぜあのままでいられなかったの?みんなでいっしょの未来を夢見て、いっしょに戦って行けるはずだったのに---なんで?
ルナマリアの心は激しく揺らいだ。ずっと抱いていた迷いが増幅されてもどってくる。
聞いてはダメ!この人は裏切り者なのよ!?
---でも、アスランだ。
何故?との問いに真摯に答えるアスラン。”議長の言う決められた世界に生きられない自分、レクイエムはあってはならない兵器。”その言葉に混乱するルナ。最近のシンをみて、今のアスランをみて、ルナなりの答えが間に割って入るという行動に出させたということで、本編にはない、アスランとの会話を補足することでわかりやすくなった。
●イザークとディアッカ
*レクイエムのステーション1の攻撃時。
先日、二人のラクスを見た直後も、話し合った。自分たちがこれまで信じてきたものが、果たして正しいのか。
アスラン脱走の報せも、彼らを大きく動揺させた。
アスランは誠実で、どちらかというと融通の利かないヤツだ。そんな彼がふたたびザフトを裏切るからには、よほどの事情があったに違いない。
デ「アスランのことも」
イ<アイツの話はするなッ!>
デ「だがよ・・・」
イ<アイツは裏切り者だ!証拠もあるし、報告も出ている。それなのに、ここで俺たちが騒ぎ立てたらどうなるとおもう>
ディアッカはつい、絶句した。イザークの言葉自体が、アスランの脱走と、それを処理した上層部への、彼らの疑いを如実に語っている。
*エターナルとアークエンジェルの出撃時。
議長は世界をおのれの色で塗りつぶそうとしている。・・アスランはいち早くそれに気づいて離反したに違いない。おそらく彼は”エターナル”、”アークエンジェル”とともにある。あっさり撃墜されるほど往生際のいいヤツではない。
それはいい、だが、なんでこんな大事なことを、こちらにひとことも相談しないのだ!
*フルーダム、ジャスティスの機影を確認するディアッカ。
相手の技量とあの二機の性能がわかりきっていた。自分で言うのも情けないが、戦って勝てる相手ではない。
アスラン、キラ---。どちらもけっして敵に回したくない相手だ。だが、戦って勝てないからではない。
自分の属する勢力に対して疑念をおぼえる。・・・アスランとキラがいるのに、ラクスが偽者であるはずがないのだ。・・議長は大きな嘘をついている。・・これほどの大きな嘘をつくような人間が、嘘をひとつですませることなどまずありえない。
*ミリアリアを思い出すディアッカ。
---まさか,彼女も来ているのだろうか、ここに?
能力の差で人間の価値は計れないと教えてくれた、能力的に劣ったナチュラルの少女。
デスティニープランの危うさを、ミリーを通して確認するディアッカは小説ならでは。
*<いま俺が殴りたいのは、アイツだけだッ!>
結局のところイザークが怒っているのは、アスランが消息不明になって気を揉ませたあげく、何事もなかったかのように現れたことなのではないか?
アスランにその間、”何事もない”わけないんだけどね。むしろありすぎ。いつも貧乏くじ引かされて誤解されやすい不憫なアスラン。イザークの安堵の気持ちの裏返しはよーくわかってるけどね。
それにしても、先大戦時のそれこそ”何事もなかった”かのようなアスランが、実は全然そうではなかったということを学んだのではなかったのか?イザ・ディアよ、アスランはそういうヤツだと。
*レクイエムの中継ステーションを前にイザ・ディアの介入に驚くアスラン。
命令は自分たちを討てというものだったはずだ。それなのにさっきは自分を助け、今は通信回線を開いて話しかけてくる。---というより、むしろ、二人で勝手に揉めているような気がする。
自分の機体を追い越す勢いで、イザークとディアッカが中継ステーションを目指す。アスランはあわてて彼らに機体を並べた。百万の味方を得たような昂揚が、体の奥底から湧き上がってくる。
アスランにとっての思いがけない”敵”であるはずの援軍。彼らとも「夢」は同じ。この上なく信頼できる仲間。そりゃあ百人力どころか百万力だね(笑)
付かず離れずの彼ら元ザフトレッドの3人。
後日談はスーツCD10のとおり。漫才のようなやり取りは一生繰り返すだろうとは思うけれど、ずっとこのまま、この関係は変わらないでいて欲しい。
願わくば、今すぐにとは言わないけれど、新しい世界においての主導的立場で、共に協力しつつ、力を尽くしてもらいたい。そう思っている。
こんなに長いのに、肝心のシンについて、ひとつも書いていないや(汗)
いつか・・・やがて、いつかは。そんな未来を信じて、今日を戦う。それがシンの見つけた明日。
それが今のシンの着地点。最後にやっと何もわかっていなかったことを理解したシン。
過ちから目を背け、他者に罪をかぶせ、なにも見ようとしなかった・・・
アスランには見えていたのだ。
いつもいつもアスランの言葉がわからない、彼の見えているものが自分には見えない、と反発ばかりしていたシン。やっとアスランの見ている世界を垣間見ることができ、そのアスランの言葉を心で受け止めてくれたシン。
”アスランの言葉がやっと通じた”・・・どうしても視点がそこになる私だけど、このときの”回想”を含めたシンの「心の整理」を綴った約3ページはとても嬉しい気持ちになる。アスランがシンを説得出来たことももちろんだけど、シンも、特に後半は不憫極まりない扱いを受けてしまった本編なわけで、ここでその見え難かった内面が補完。決して言葉を理解できない、”アスランの心”が通じない”お馬鹿さん”として終わらなかったことが証明されたようで、とても良かったと思っている。シンもキラやアスランに引けを取らない”SEEDを持つ者”だもの。これからこれから。
それから、レイ。彼の心の変化は、なかなか本編だけでは理解しがたい部分があったが、小説の中でのたくさんの心理描写によって、とてもわかりやすくなった。
シンとレイ。この二人の間に、確かにあった友情をみせてくれる、そんな出来事が補足されている。”メサイヤ”へレイを救出に向かおうとするシン。音声での通信にだけ成功し最後に言葉を交すシンとレイ。いい感じだ。
さてと。。。もし、ここまで読んで「小説版」がどんなものかと興味を持ったのだとしたら・・・もう、いっそのこと「買って読んでください。」ってことにさせてください。
another編といいながら、結局アスランが絡んでしまう書き方になってしまうし(汗)
議長もラクスもムウ・マリュも、本当はもっといろいろ紹介したかったのだけど・・・。
とにかく前半のアスラン編で飛ばしすぎ、体力と精神力の半分以上をつぎ込んでしまった。これで息切れしてゴールに倒れこんだ(少し棄権気味?)いうことにして欲しい。
本編が終了して、にもかかわらずアスランへの想いが高まる一方なのは何故だろう?
「DESTINY」は、シンでもキラでもなく、アスランが主役のお話だったと、今では確信に近い思いを抱いているからかな?
しかし。。。そう思っているのは、決して私だけではない!と思うのだけどね(笑)
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コメント
おまけなのに超長文、たいむさん、すごっ(笑)
こうして並べてある、ルナマリアのシーンを見ると、自分に都合の悪い事は考えないようにして否定する、シンとルナって同じ思考だなと思いました。たいむさんの記事読んで、二人が一般的な少年少女だったという思いが強くなりましたね。
イザ-クとディアッカ、そしてアスランの信頼と友情は、やはりイイ!
読んでいて、にやりとしてしまいますわ。
そして、何事もなかったかのように現れたアスランを怒るイザークですけど、イザークは、アスランが大変な目にあったであろう事は判っていると思います、大変なのに、自分に対してもそれを見せないアスランに怒っているのではないかなと考えています。
自分を頼って欲しいのだよねイザークは、だって信頼できる仲間と思っているのですもの。
DESTINYの主役はアスラン!私もそう思います(そして影の主役はカガリだよ~)
だからこそ、もったいないなかったという思いが大きいですね。
さて、スペエディで挽回なるか!(えっ期待するのは危険ですか?)
投稿: すずしろ | 2006/04/29 00:09
おはようございます。
小説のほうが細かい描写がされてて、キャラの心理が解りますね。
確かに、おまけの割には長文ですね。(笑)
さすが、思い入れが強いですね。
投稿: Brian | 2006/04/29 05:43
■すずしろさん、こんにちは♪
>おまけ
”オマケ”のつもりはなく、これも真剣に書いてますw
単に「書ききれてないけど、これで打ち切っちゃうのよ」という意味でしたw
表記がまずかったですね。(修正済み)
>シンとルナって同じ思考
導いてくれる大人もいないから、自分たちで成長するしかないのですよね、この時代の子供たちは。見えるものしか見えない世の中ってイヤですね。
そう思うとラクスやアスランがどんどん大人になっちゃうのがわかるような気がします。(あ、もちろんカガリも、キラもね)
>イザ-クとディアッカ、そしてアスラン
これはもっと別にして書きたかったけど、書くのが疲れた(笑)
>自分を頼って欲しいのだよねイザークは、だって信頼できる仲間と思っているのですもの
ですね。イザークについてはまったくそのとおりだと私も思ってます。
そこはスーツCDのほうで書きました。
<イザ・ディアよ・・>とは書いたけど、これはディアッカ評だね>何事もなく。
もちろん、デアッカだってちゃんとわかってるって思ってますよ!
やっぱアスランが主役(クレジットのTOPにはこないけど)
すずしろさんなら、援護してくれると思ってました!
>スペエディ
そう!期待の”しすぎ”は禁物です。変わらないのだもの、事実は。
何度も言うけど”今”のあすらんが好きな私としては、また初めからそこへ行き着くまでの紆余曲折を再確認しなくてはならないDESTINYは、やっぱり痛い、、なんて思っていたりもします。
でも・・楽しみ(うう、葛藤)
■Brianさん、こんにちは♪
>小説のほうが細かい描写がされてて、キャラの心理が解りますね。
読まれましたか?
あくまでも補助的なもので絶対ではないとは思いますけどね>後藤リウ式DESTINYってことで。
↑での書きましたが、オマケ・・ではないです、実は(汗)
思い入れが強いのは間違い有りませんが(爆)
投稿: たいむ(管理人) | 2006/04/29 11:45