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2006/02/08

「ミュンヘン」みた。

munchen エンドクレジットの後ろに見える風景、何かを彷彿させるあのツインのタワーは”今”におけるメッセージなのだろうか。
(以下ネタバレあり)

アヴナーはどうして暗殺チームに加わることを決意したのだろうか?何が欲しかったのだろうか?彼を動かしたものは何?「愛国心」それだけで?そこがどうしてもわからなかった。
『一日で決意できないものは、一生決意できない』確かにそうかもしれない。
組織も馬鹿じゃないから、彼が「受ける」と確信しながら(逃げようのない)打診をしたのだろうが。
「ミュンヘン事件」における報復。アヴナーらの活動の発端はそこからだが、この争いは千年以上の時をくすぶり続けている問題。今更、声高に国家を挙げての争いではない。全て水面下での出来事であり、闇から闇へと葬られていく。関わった時点でその「存在」ですら抹消されるのだから。・・・そんなのアリ?彼らは生きているし、家族もいる。なのに存在が無い。繋ぐものはお金だけ?

(時代はともかく)敵味方、見境なく”武器”を売る「武器商人」がいた。
そして、ここにも敵味方、見境なく”情報”を売る組織が存在した。世の中全て金・金・金。
いかにも人の良さそうな大元締めの「パパ」は言う。
『君の事は気に入ったが、忘れるな、君は”家族”ではない』
自分が傷つけることはしないが、”守るべき対象ではない”ということか。

「国の為、家族の為に」という”大義”で暗殺を繰り返す。そしていつしか己自身が、その敵の”大義”によってに狙われ始める。
そんなことは当の昔から繰り返されていた「争いの連鎖」。
隠れ家はあるにしても、私には彼らがとても無防備に見えていた。

『殺されたから殺して、殺したから殺して、それで最後はホントに平和になるのかよ!』

これは”彼の国姫君”が言った言葉だけれど、アヴナーが最後にこの疑問を口にする。
「そこに終わりなんかないのだ」と。
ほっとした。彼は気がついていたのだと。
しかし同時に、アヴナーに「戻れ」といい、それが叶わないと知った時、ただの食事すらも断り、ひとり戻っていくエフライムにはアヴナー同様、見送るしかないのだと思った。彼なりに「愛国心」という正義があり、その信念を貫くということは彼の自由であり、決意なのだろうから。

この映画を観ている間、ずっと”姫”の言葉が脳裏によぎっていた。また「力によって奪い取ったものは、また力によって奪い返される」ということも。
単に人種や領土問題だけではなく、思想や宗教が絡み合って長い年月をかけて、さらに複雑化している問題であり、紛争の数々。そこに新たに”第3者”ともいうべき存在の介入まである。今や本来の争点など誰も知らずに闘っているのかもしれない。もはや歯止めがどこにも見つからない。

アヴナーと祖国について語っていたアリの言葉。
『Home is Everything.』・・・「祖国がすべてだ」訳されていた。でもそこにはこんな意味も含まれていると思う。
”Home”すなわち”帰る場所” 誰しも”本来あるべき人間らしい姿で安らげる地”を求めているのだということ。

何かあった時、”料理”に固執したかのようなアヴナー。
温かい色合いの”キッチンのショールーム”が妙に心に残った。
彼こそ誰よりも、奥さんと子供の待つ”Home”に安らぎを感じていたのだから。

※ちなみに”姫”と言うのは「カガリ・ユラ・アスハ」という”オーブ首長国”の姫君で、現在は同国の国家元首。コズミック・イラという年代でモビルスーツが汎用されている世界のお話。

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コメント

こんばんわ♪TB&コメント有難うございました♪

背景にあるツインタワーの意味合いは、やはりアメリカが行ったテロへの報復行為と、本作の『やられたらやり返す』と言う部分が類似してなりませんね。スピルバーグがそこまで考えていたかは分りませんが、自分はそう感じてしまいますね。

投稿: メビウス | 2006/02/08 23:24

 TBありがとうございますm(_ _)m

 あの「パパ」のセリフは、ある意味
ゾクッとさせられました。それでも、
アヴナーは、自分や家族の安全を
確認したくてしょーがなかったんで
しょーね。(かなり精神的に追い詰
められてたよーだし)

 序盤の「契約を交わさないとゆー
契約」シンプルながら、怖い響きと
感じました。

投稿: たましょく | 2006/02/08 23:35

こんにちは♪
中東問題は複雑化しすぎて本来の争点を認識している人は少ないのでは?と私も思いました。
やはり歯止めはきかないでしょうか・・・。
そんな予感がして凹みます。

投稿: ミチ | 2006/02/09 00:01

たいむさんこんばんは☆

自分も某有名ロボットアニメとのシンクロは
感じていました。
カガリ(書いちゃった)の難しいところは、
アブナーとエフレイムの両方の属性を
持ち合わせていて、かつそのどちらにも
シフト出来ないというところでしょう。

では両立することは可能なのか?
運命を越えた先を見てみたい気がします。

投稿: ひー | 2006/02/09 00:44

■メビウスさん、こんばんは♪

>スピルバーグがそこまで考えていたかは分りませんが
多少の含みはあると私も思います。
あえてフレームに入れたことが、そういう意味なのでしょう。(当時あって当然の建物ですから)

日本のアニメって捨てたモンじゃないですよね、その内容も含めて。改めて思った次第。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/02/09 17:17

■たましょくさん、こんばんは♪

>あの「パパ」のセリフは、ある意味ゾクッとさせられました
ですよね。優しい顔して安心させて、トドメを指す感じ。
ベットヤ電話やTV。お約束のようにクローゼットに寝たアヴナーの疑心暗鬼な気持ちわかりますね。

>契約
そんな契約あるんだ思いましたね。
蛇の道はどこまでもヘビ、ですね。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/02/09 17:20

■ミチさん、こんばんは♪

何で戦っているのかすら、わからないで戦っているのだから、どうやって終わらすのもわからなくなっている・・というか、終わらす気がないような気がしてしまいます。
連鎖を断ち切るどころか、どんどん絡み合って・・むなしいばかり。

オリンピック、最後まで平和に・・

投稿: たいむ(管理人) | 2006/02/09 17:25

■ひーさん、こんばんは♪

>アブナーとエフレイムの両方の属性を持ち合わせていて、かつそのどちらにもシフト出来ないというところでしょう

政治は白ばかりではないですからね。光と闇はいつもセットです。
良き為政者がいても必ずテロのようなことは起こるでしょう。人間の世界ですから。
やっぱり何度吹き飛ばされても、花を植え続けるしかないのでしょう。
(なんか違う?w)

DESTINYの続きで答えが出れば、リアルの戦争も終わるかもしれませんが・・・ムリ・・・
やはり花を植えましょう。
小さくとも強い火は消えません。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/02/09 17:30

たいむさんTB&コメント有難うございます

報復の連鎖・・・コレは止まらないでしょうね。・・・
本当に困るところは、指導者が、憎しみを次の世代(子供達)に伝えたり、酷いのは子供達を戦闘員として使う事です。

本当に日本人でよかったですネエ

投稿: hide | 2006/02/10 20:43

■hideさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます。
>酷いのは子供達を戦闘員として使う事です。
少年兵士。それこそ戦う意味なんて全くわかっちゃいないだろうに・・・嘆かわしいことですね。

兵役すらない日本。だからこそ、こういった映画を観ることができる。中身はどうあれ、平和には違いないんですよね。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/02/11 15:40

こんにちは、コメントありがとうございます!
アヴナーとキッチンのショールームはぜつなかったですね。
祖国もHome、我が家もHome・・・
こういう感覚を我々も失ってますよね。
演出、カメラワークにはホント、感心しました。
スピルバーグの技は秀逸です。

投稿: Yin Yan | 2006/02/11 23:59

■Yin Yanさん、こんばんは♪
こちらこそ、コメント感謝です。

>アヴナーとキッチンのショールーム
食べるという”生きるため”の行いと、”帰るべき家”のキッチンと色々なモノの象徴があのショールームだったのかな?と思いました。

>感覚
どうも「感じる」ということが出来なくなっている若者が多いような気がします。
至れり尽くせりの今の時代、既にあの地域の人々とは「幸せ」の基準も価値も「自由」という意味も違っているような気がしてなりません。
残念なことに(私も含めて)当事者の気持ちは当事者にならないとその痛みと共にわからないのかもしれません。
スピルバーグにしてもそれを百も承知で作った作品ではないかなと。
そのアツイ気持ちが演出とカメラワークで感じられたように思います。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/02/12 00:34

こんばんは! コメントをありがとうございます。
風邪ですか? インフルエンザ?
流行ってますね。どうぞお大事にしてください。

ひたすら怖かったこの映画、なんども、クビをすくめました。「はらはら、どきどき」に弱いので。(汗) 政府は、この人物(主人公)を抹消しようとは思わなかったのかなぁ。んで、こういうことは、「刑事事件」には、ならないものなのですね。

結局、どうしたらいいのか、どうすればみんなが納得できるのか、もう、わからなくなってしまっているのでしょうかねぇ。日本人は、何かできるのかなぁ…。こんなにボケてて。(汗)

投稿: あかん隊 | 2006/02/14 22:13

■あかん隊さん、こんばんは♪
ただの風邪ですね。週末がピークだったので、大丈夫です。
花粉症は今のところ持っていないので、そっちの心配はないのですけどね。

>政府は、この人物(主人公)を抹消
存在しないものは抹消すらも考えず・・と解釈していましたが、確かにオカシナ話ですね。

もう、みんな頭の中はわにゃわにゃ。
実際行動している時は「大義名文」も「使命」もそんなことすら忘れ去って、単なるマシーン化してしまうのかもしれません。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/02/15 16:46

こんばんは!いつもありがとうございます!
宗教、一般的とも思えますが、一歩間違えば、常人には理解できないものでもありますね。
かっこよくなく、派手でもなく、現実っぽさがかえって、恐ろしかったです。

投稿: 猫姫少佐現品限り | 2006/09/07 19:40

■猫姫少佐現品限りさん、こんばんは♪
>一歩間違えば・・
まったくそんな感じですね。
目の色が違ってる・・って思ったりするし。

リアルに近い作品はぐぐっときますね。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/09/08 16:48

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