「県庁の星」みた。
織田くんの最新作。地方行政と民間交流にちょっとラブ要素を持ち込んだ作品。これも原作は未読。
官民・・・両方の視点とどちらでもない消費者としての視点、納税として一般県民としての視点。様々な視点からこの作品を見ることができる私としては、それぞれが”多すぎる”し、”足りなすぎる”しでそれを考えると「ダメだよぉ」というしかなさそうだ。
特に官と民の裏舞台、完全否定はしないし、できないけど、”近からず、遠からず”の程度。良くも悪くも県庁内部はあんなものではないし、スーパーのバックヤードや管理体制があんなものだと思われても困ってしまう。
どちらもいただけない部分を”わかりやすく強調”しているといことは、とにかく声を大にしたい。(以下、若干のネタばれあり)
官民の溝については、どちらの言い分もわかっちゃってるから何ともいえない。
それについて書き出したら、”論文”くらいの大作になるのは必至。だからやめておくことにする。
ただ、この”県庁さん”がなぜ職業として民間企業ではなく、公務員を、それも”県庁”を選んだのかが、どうしてもわからない。
このひとの考え方はどう考えても民間向き。その行動力も民間向き。権力がほしかったのかな?
ならば、交流によって、全然知らなかった、知ろうともしていなかった”民間のあり方”から影響を受けて、多角的に物事を判断できる能力を身につけたということで、このまま県庁職員で有り続けるからには、あの結末から考えて”自分が知事になるしかないなぁー”というくらいのおちゃめな野心を見せてくれてもよかったんじゃないかなぁ?なんて思った。
もう一つ、”マニュアル”についてはちょっと言いたい。
「マニュアル?そんなのないんじゃないですか?」と二宮さんは言うけれど知らないだけで無いわけがない。けれど、そんなものの存在は知らなくても”できている”というのがプロ。それが現場レベルの実態。
難しい”専門用語”なんて知らなくても、実行できているのが現場のプロの仕事の仕方。(良し悪しはまた別の話) ※マーケティングが難しい専門用語とも言わないけれどw
本当はどれも当たり前の事なんだよね。
要するに”察する””感じる”という能力の有無が、そのまま、使える人間とそうでない人間の差になる。とにかくあの二宮さんのセリフにはグッときた。(これらについてはもっと語りたいけど、今回はやめとこう・・・映画の話じゃなくなるし)
で、結局、この作品は何を訴えたいのか・・・なんだけど、何だろう?
社会派的になりうる要素は有りながら、最初に書いたように、多すぎるし、足りなさ過ぎる。ということで、これはラブ要素にも関係する、
『目の前の困難から逃げるということは、今後、いかなる人生の困難からも逃げることになる』
『たとえ気がつくのが遅くても、何かを始めるのに遅いことはない(チャンスを生かそうよ)』
なんだろうなぁ。・・・・普通だね。そのとおりなので、ココはこれで良いことにする。
小ネタの買い物カゴを持ちそうになるあたりとか、さりげない相合傘のシーンは微笑ましかった(織田くんに大甘なので)
一番好きなシーンは”シングルライフ”コーナー設置の為に現場の3人が盛り上がっているところ。女3人の知恵の出し合いも楽しいし、それを見て微笑む”県庁さん”が(この映画の中で一番)素敵だったから。
評価は微妙、★★★☆☆+ オススメ度:★★★☆☆ かな。
やっぱり織田くんは”青島俊作”が一番だなぁ。
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