「博士の愛した数式」みた。

とにかく「いいなぁー、すごいなぁー」というのが感想。
いきなり休み時間の教室で、円周率について語り合っている高校生？
確かに円周率を”３”にされてしまったら、私も悲しい。
それは「”円”ではなく”正六角形”になってしまう・・」とかいう具体的な事だけでなく、”π”というものの美しさ。私も、博士のようにとは（全然）いかないけど、数学が好きだったなとふと思う。(どこまで言えるか暗記した苦労も忘れちゃいないが・・＾＾；）

この作品、私は「すごくいい！」というしかないみたいだ。（原作は未読）
以下、若干のネタバレ？あり。

吉岡君扮する数学の先生、”√（ルート）”の回想（現在進行形？）という形で話は進んでいく。
事故が原因で、記憶が続かなくなってしまった博士。ルートと母親の杏子は一日一日、時を刻み少しずつ進んでいる。でも博士は連続した時間の流れが途切れた時、また１０年前へと時を遡って行ってしまう。自分のことも母親のことも全て忘れてしまう。また初めからやり直し。
けれど、杏子とルートとの触れ合いによって、博士はその遡る時間、ほんの少しだけ現在に近いところをスタート地点に変えることができたのではないかと思う。｢－１」が「０」になるくらい、ほんの少しだけ。
「１」 という”値”が「１日」なのか、「１時間」なのか、「１分」なのか、「１秒」なのか、それ以下なのかもしれないけれど、確実に「１」だけ博士が二人に出 会ったことで変わったのだとそう思った。そして、その博士の変化が義姉の心の時計をも「１」動かした、そういうことなのではないかな？と私は思った。それ が”アイ”なのかな？とも。

私が生徒なら、ルート先生の初授業は間違いなく最高にワクワクした時間だっただろうと思う。
思い出話と現実の授業。「完全数」「友愛数」などなど、耳慣れない数式の登場に併せてそれらがリンクする作りが絶妙だったと思う。おもわず生徒と一緒になって考え、答えに心が弾む私（笑）

”感動！”とか、なんだかそういうんじゃない涙が常にぽろぽろと流れてきた、そんな作品だった。
そして、寺尾聡・浅岡ルリ子・深津絵里は言うまでもなくお見事。
少年ルート君（齋藤君）がどことなく”純君”に面差しが似ているのは・・・（笑）
まぁ、それはそれで素敵だ。心優しいルート君を見事に演じているしね。

何度でも言うけど「すごく良かった！」
それが評価であり、オススメ度、ということかな？