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2006/01/23

小説版「交響詩篇エウレカセブン1 BLUE MONDAY」(後篇)

中篇・・も考えたのだけど、対比の都合上切れない感じなので強引に”後篇”とすることにした。※超長文の覚悟を願いします m(__)m

TV版で言えば「03 モーション・ブルー」だけど、
レントンが「修行をしてくる」と、じっちゃんと(一応)つかの間の別れをし、エウレカと共にニルヴァーシュへ乗り込み、”踊る”ニルヴァーシュでの”G”に耐性のないレントン。”月光号”のベルフォレストからの脱出、タルホの操舵技術やホランドのリフの見せ場を描がいた場面はほぼ省略。
小説4章はレントンが”月光号”に乗り込んで、既に1週間経過したところからはじまる。

4章「アフタースクール・セッション」・5章「いまだ波は遠く」
→→→「04 ウオーターメロン」 (「05 ビビット・ビット」)

小説では、まずレントンから見たゲッコー・ステイトのメンバーの印象が語られる。(余談:メンバーが実は総勢18名いる、というのは驚きだ。)
ムーン・ドギーが妙な言葉遣いをして、レントンに対して(ワザと)悪ぶっている態度を取る以外、他のメンバーはあまり大きく性格は違ってないと思う。(タルホはTV版のほうがヒステリチックに描かれてるかな?)

エウレカの子供について・・・大きく設定変更
「わたしの子供」と月光号で一緒に暮らしているメーテル以下3人の子持ちであることを紹介されて呆然とするレントン、そしてその子供達の悪戯に悩まさせるのがTV版。
対して、(大人たちにハメられて)エウレカの部屋に入ってしまった際に目に留まった「赤ちゃんの写真」(その写真の赤ちゃんがメーテル) それが「わたしの子供」とエウレカにさらっと言われて、更に「ビデオもあるのよ」と見せられ、その中でメーテルを抱きかかえるホランドの様子に(誤解して)打ちのめされるレントン・・というのが小説。(男の子二人は登場なし)

ゲッコー・ステイトとは・・・
TV版では、自分が抱いていた”ゲッコー・ステイト”とのギャップを感じるレントン。特に「リフをしないゲッコー・ステイトのメンバー」に違和感を覚え、妙に「リフ」にこだわる。彼らの実態が”人助け”や”正義の味方”的憧れの存在とは程遠く、所詮お尋ねもので”貧乏”なこと、お金の為にはアヤシイ仕事も引き受けていることに釈然としないレントンが描かれていた。またアヤシイ仕事の裏に隠されている世の中の実情を知り、「賞金稼ぎの為のリフはしない」という掟のようなもの、3人の子供がエウレカの本当の子供ではないことを教えてもらう、場面などは全てカット。(というか、変更か?)
代わって小説での「ストロホルン」の出来事は、”お金”の為には”強烈な画を”とタワーシティまで”KLF”を引き付けて、派手な戦闘(撮影の為のパフォーマンス)を繰り広げ、本質は「人殺し」という手段を選ばない闇の部分を持つゲッコー・ステイトであるということ、決して「正義の味方ゲッコー・ステイトではない」、というをレントンに叩き込むという話になっている。
それによって早くもレントンは、既に自分も戦争(人殺し)に加わっているということ知り、(ソレに対して平然としているエウレカにも)”何かが間違っている”と葛藤し始めることになる。
「月光号とは何か?」「ゲッコー・ステイトは最終的に何をするつもりなのか?」、そもそも「自分が知りたかった、求めたかった真実とは?」それと「ホランドの言う(思う)真実と一致するのか?」という疑問がこの先ずっとついて回ることになる。

”G”に対する不慣れ・・・げろんちょ
小説でもニルヴァーシュのテスト中「レントンがくねくねしています」というエウレカの言葉のとおりしっかり描かれている。ニルヴァーシュの測定値を一緒に見ているホランドやミーシャには、「レントンが”最悪の状況に陥る”ということが理解できないだろうなぁ」ということをハップとストナーによって語られる場面の挿入(同情が溢れる会話)が面白い。

TV版「05 ビビット・ビット」「06 チャイルドフット」「07 アブソリュート・ディフィート 」
ファミレス事件=潰された指輪については全くなし。指輪はTV版で後に出てくるだけに、そのエピソードがなくていいのかな?(後に回想か?)
子供達のいたずらから月光号の不調、ニルヴァーシュで勝手に出動するレントン、というエピソードもカット。
レントンへ「特別任務」は全カット。(あんまり必要ないしね)

6章「王の都」・7章「お茶はいかが?」・8章「ずばあん、どん」
→→→(「07 アブソリュート・ディフィート」 「08グロリアス・ブリリアンス」 「09 ペーパームーン・シャイン」)
「07 アブソリュート・ディフィート」でのタルホとの買い物は別の形で生かされている。
”彼女の弟のレントン”として意識しているタルホ、というスタンスは同じようだ。
「ゲッコー・ステイトに幻滅してんでしょ」とレントンの気持ちを言いあて、”姉”のごとく助言めいた話をするタルホとレントンの会話は小説では今後もたくさん出てきそうな予感(わかんないけどw)

小説オリジナルエピソード・・・「スパッドの病院」
スパッドとは、ホランドの昔のリフ仲間で、時折暗号通信などでやり取りし、その情報によりホランドが立ち寄る、というエピソードになっている。
結局、その情報は罠(軍に売った)であり、月光号はピンチになる(ただしスパッドは完全に寝返っていな為、ホランド達は脱出に成功)
また、ホランドはこの病院に「メーテル」を預けていて、軍とのいざこざのどさくさでエウレカが連れて出てしまうというエピソードになっている。
”絶望病”や”ヴォダラク”、”ノルブ”についの説明的部分も盛り込まれている。
「メーテル」を連れ出した際に、エウレカとレントンは”ティプトリー(おばさん)導師”に出会う。
TV版での「追いかけごっこ」より見事な繋げかたであり、出合ったそこがそのままヴォダラクの地だったりするわけで、とても合理的だ。

”ヴォダラクの民”によって石を投げられるエウレカ。その理由(過去)、「メーテル」との出会い。それはTV版と同じようエウレカの口からレントンに語られる。
小説で少し違うのがエウレカの気持ち。既に「守る」という言葉の意味を考えている。そして「あの人」と繰り返される言葉。TV版前半ではほとんど語られていない「あの人」。ひょっとしたら、レントンと「あの人」の対比が早いうちから出てくるのかも知れないと思ったりした。

TV版ではレントンがエウレカに「君は嘘をついている」と即座に言うけれど、小説ではその場では何も言えない。エウレカの苦悩を感じ取りながらも何もできず、自分が無力なこと思い知った状態。でもそれが切っ掛けとなり、自分が”すべきこと”、それを実行する”勇気”を持ち始めたように思う。(この後のエウレカを連れての命令違反へと繋がる)

軍に包囲されてかなりヤバイ状態の月光号、そのための出撃。
「俺の知っているゲッコーステイトはこんなんじゃない!」と単独行動へ走るレントン(ニルヴァーシュ)
エウレカとの信頼の絆、ニルヴァーシュとの一体感、レントンはここで何かを見つけ精神的にも大きく成長していく様子が良くわかる。(TV版よりもっと派手で危険な行動でもある)
どこにも自分が崇拝していた「ホランド」なんていなかったこと、「正義の味方ゲッコー・ステイト」なんて存在しないこと。そうであって欲しいと願いながらも・・・

出来れば映像で見たいエピソード。しかしコレはサントラと過去映像から、自分で脳内に映像を作り出すしかないようだw (ちなみにニルヴァーシュでの”カットバック・ドロップターン”はここで成功する)

9章「ルーキー」
→→→(「10 ハイヤー・イン・ザ・サン」)
ここもほぼ小説オリジナル。
タルホから「レントン」に対するホランドの姿勢が問われる。
レントンの「父親」の役割に戸惑うホランド。ゲッコー・ステイトのリーダーとしての自分、ホランド個人としての思い。
8章でのレントンの”命令違反”に対しは当然罰を与える。(営巣入りのエピソードはココになる) けれどその行動には「お前は実際よくやったんだよ」と自分の気持ちを言葉にして、きちんとレントンに伝える。
果たして”ゲッコー・ステイトは正義の味方か否か?”そういうことなんだろう。

レントンをその理由も示さないまま(言えないともいうが)、感情のままにボコボコする今後のTV版ホランドとはやはりかなり違う人格のようだ。
よってタルホもホランドに辛辣な言葉を浴びせ奮い立たせるというよりは、彼の背負っているもの、その立場を気遣う、そんな風に受け取れる。
この先、とにかく怒鳴ってばかりのTV版ホランド。この先小説版ではどう変化するのか?しないのか?それによってレントンやタルホも違ってくるのではないかと思う。

個人的に・・小説版ホランド、好きです(リーダーとして)w

レントンの営巣入りが解けて、ボードに専用ウィールを貰い、ゲッコー・ステイトの正式メンバーになるところは同じ。そのあと小説版では、みんなに促されてカットバック・ドロップターンを”ボード”で披露することになるのだか・・・・・・へなちょこレントン頑張れ!

とりあえず、(1巻)おしまい!

追記:TVアニメとノベライズ本、その違いが新鮮で面白かった。しかしこうして文章にしようとするとなかなか大変で、その楽しさが上手く伝えられないのがもどかしい。
前半は大筋でエピソードが同じだから違う部分を対比させて書くことが可能だったけれど、中盤からは小説オリジナルだったり、そこにTV版でのエピソードの一部がちりばめられていたりで対比という形が難しくなってしまった。
今後どのくらい設定が変わるのか?どんな風にTV版とリンクさせるのか?全く想像が付かなかったりする。2巻以降はもうすこし違った形で「小説版エウレカセブン」と紹介したいかなぁ~、と早くもネをあげそうです(笑)
もうすぐ2巻の発売。・・・・・まぁ~のんびりといきましょうか、ね?(^^)

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コメント

エウレカもスカパーで見てるけど小説はかなり違うんだね。
私はDESTINYの小説が1巻のまま…。早く先に進みたいけど、ゆっくりじっくり読んでます。
エウレカまでは手がまわらないので記事を楽しみにしてます。

投稿: 千羽鶴 | 2006/01/24 14:49

■千鶴さん、たくさんありがとう♪

スカパーはいま何話くらいなんでしょうね?
ご覧のとおり、だいぶ違いますね。(少しは伝わったようで嬉しい!)
小説版も面白いですよ。
やはりTVアニメと併せると世界が広がりますね。

>DESTINYの小説が1巻のまま
あはは~頑張ってください!先は長いですよ~~
5巻が楽しみな私です。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/01/24 18:23

こんにちは。姫鷲です。
「期待してます」とか言っておきながら、コメント遅れましてすみません。

こうして1つ1つ取り上げてみると結構違うモンなんですねぇ。アニメ版を見ているせいか、何となく受け入れちゃってましたが、2巻以降は全く別のストーリーになってもおかしくないくらい。確かにアニメ版と小説版は「別物」です。
とはいえ、アニメを見てないのに文庫を手に取る人も少ないでしょうから、どうしても副読本的な位置づけになってしまうのが勿体無いですね。単体でも充分面白いのに。

>2巻以降はもうすこし違った形で紹介したい

オリジナル色が強くなれば、アニメ版との比較中心よりも、小説版の魅力的な箇所を前面におしたほうが良いかもしれませんね。
どんな形にせよ、本のレビューは大変です。がんばってください。

投稿: 姫鷲 | 2006/01/28 01:07

■姫鷲さん、こんばんは♪
私もですね、これほど違っているって自覚がなかったのが正直なところです。
もっとも、私がはじめてエウレカを見たのが、小説で完全に削除された「ラーメンの出前」なんですよ。
それに、実は小説を読んでから、DVDを観たという逆転現象だったりもしますし。

∀ガンダムと「月は繭・・・」と関係性がにてますよね、コレ。
単体でも面白い小説。本当に勿体無いですよね。
アニメにしても、(放映時間もあるかもしれないし、裏番組がゾロリということもあり?)いまひとつ視聴率が伸びないとのこと。
アニメも秀作なのに、コレも勿体無い。と思います。

>アニメ版との比較中心よりも、小説版の魅力的な箇所を前面におしたほうが良いかもしれませんね。
全くそう思っております。
上手く面白さを表現できるかわからないけれど、最後まで頑張りますわ。

時々この二つのレビューにアクセスがあるので、小説版エウレカに興味を持っている人が確実にいるようですしね。

投稿: たいむ(管理人) | 2006/01/28 23:12

はじめまして!

日本語の勉強を頑張っているSuzieです。こんにちは!
実は、エウレカのTV版をちょっとだけ見たけど、今はBLUE・MONDAYの小説を読んでいます。
このTV版と小説版の比較はとっても便利でした。でも、ひとつの質問があります。
8章: エウレカが繰り返す言葉の「あの人」は...誰ですか?

教えて頂ければ、嬉しいです!どうもありがとうございます!

投稿: eure-curry | 2008/12/19 05:51

■eure-curry(Suzie)さん、はじめまして。
おっしゃるとおり「エウレカセブン」は色々な媒体で楽しめる作品。それぞれに内容も充実している秀作でしたね(^^)

ところでご質問の件。
日本語を勉強しているとのことで、読解に悩まれての事と思えば、出来る限りご説明さしあげたかったのですが、残念ながら現在小説が手元に無いのです。2年も前に読んだ本であり、細部については前後を読み返してみないことにはお答えできそうにありません。
お役に立てなくてごめんなさいね。
それでも、この小説はそれほど含みのある作品ではないし、アニメと併せつつ、もう一度じっくり前後を探ってみると分かるのではないでしょうか?頑張ってください。

「エウレカ」は来年に映画化されるとの事ですし、とても楽しみですね。

投稿: たいむ(管理人) | 2008/12/20 14:38

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