« ちょっとだけBLOOD+6話「お父さんの手」 | トップページ | 小説版「機動戦士ガンダムSEED DESTINY(4)示される世界」(ミネルバサイド編) »

2005/11/14

小説版「機動戦士ガンダムSEED DESTINY(4)示される世界」(アスラン中心編)

seed-d-4 やっと書くことができた4巻の感想。しかし、3巻「すれ違う視線」ではすっかりアスキラを放棄してしまったので、この4巻「示される世界」はまずその分を挽回したいかなぁと思う(笑)
予告でも書いたとおり、シンのフリーダム撃墜から「医療班をはやく!」までということで、”アス・キラ”コンビ復活までの部分。TVシリーズでも舞い上がっていた私だから、これはしっかり書かないと3巻での痛手から復帰できないわけで・・・
割とこの4巻、キャラの内情は、TVシリーズの表情や会話などから読み取れた感じで、さほどの新発見はなかったように思う。アス・キラの思いにしても41話「リフレイン」で明かされているし。そして最終回を迎えて若干書き手も受取り手も”結果”から読んでしまうちょっとイケナイ傾向があるようにも思えた。議長もレイも黒いのが前提で書かれているようだし、タリアは完全に疑念を持っているし、シン・ルナ・メイリンもほぼ当時のレビューでの想像の範疇におさまっている。
逆に面白いのが、終盤特に駆け足でいまひとつ説明が足りない部分の設定的補足がなかなか面白い。(次回“全体版”で纏めたいと思う)

さて、アスラン。”セイバー”をキラに”だるま”にされちゃって、すっかりシンの尊敬や信頼を失ってしまった状況の中で、さらに悪いニュースが”アークエンジェル追撃命令”そこから物語りは始まる。

○キラへの(筋違いの)復讐に燃えるシンに不安を募らせるアスラン。
「シンは迷わない。真紅の瞳はいつも一点を見据え、その剣先はためらわない。それゆえに勝ち続ける」
一瞬、”シンが正しいのか?”と迷うアスラン。議長の指し示した道を進むべきなのか?と。「再びザフトレッドの制服に袖を通すとき”目的の為には手段を選ばない”と誓った」というアスラン。

「そっか、そこまで誓っていたんだぁ。」と思った私。これでは彼にとって”再び剣を取る”ということは「守ることでなく、攻めることなの?」と突っ込みたくなった一文。でも実際そうだったのかも知れない(泣)

○アークエンジェルがタンホイザーを撃たれ、インパルスによってフリーダムが討たれた時、「キラァァァァァァァッ!」としか叫ばなかったアスラン。
「(こんなはずは、ないのだ。)キラが、カガリが―自分の最も愛する者たちが、一瞬にして失われることなどということは・・・・・」

ちゃんと”カガリ”のことも想っているし、愛してます。よかった!(何故”カガリ”とは叫ばない?とかなり批判を浴びていたのでw)
このときのアスランは本気で「キラが(シンに)敗れることなどありえない」と思っていたわけで、状況は深刻でも「キラがシンを殺すことはない」という安堵感がどこかにあり、まさかの結末に思わず「キラ」という名前しか出なかった。そういうことだろうと理解する。
実際「おれが討たれりゃよかったとでも言いたいんですか、あんたはっ!」とシンに突っ込まれた時の気持ちとして「そうじゃないから苦しいのに!シンもキラも大切だからこそ―」だもの

○デスティニーとレジェンドを前にして、議長の思惑をついに看破するアスラン。
「彼女はあのときから、この人の本質を直感的に見抜いていたのだろうか?」
アーモリーワンで"セカンドシリーズ”を前にして、カガリの発した言葉。「―嬉しそうだな、議長は。」から思い返すアスラン。

「カガリのことはひと時も忘れていないのね。」とひとりでニヤリ。確かにここでカガリのカットインは入っていたけど、「そんなことを考えていたんだぁ」と感心!

○議長からデスティニーを与えられて、舞い上がるシンをハタから見て思うアスラン。
「”セイバー”を与えられた時の自分とシンを重ね合わせていた」
そして「自分には力がある、思いもある。だからこの人は認めてくれた。」と信じた。

アスランがシンのように舞い上がっていた様には見えなかったけど、やっぱり内心”欲した力”を手に入れたことは”これで自分も何かができる”と浮かれていたのだなぁ。けれど、それほどまでに「何も出来ないのが辛かったんだ」と解釈させてもらおう(笑) さらに、

「『以前、強すぎる力は争いを呼ぶ、と言ったのは、さらわれた当のオーブの姫だ』 カガリの言葉を引用されたとたん、アスランは理屈を越えた嫌悪を感じた」

おお!”理屈を越えた”がなんかいい表現。”カガリ”の言葉の引用した、ということに嫌悪。うん、やっぱりいつでもカガリを想っているよ。

○議長がキラ(アークエンジェル)を討った理由より、すべてを悟るアスラン。
「強いから、異質だからと命を奪っておきながら、しかたがないというのか?・・このひとも同じだ。認めぬもの同士争う―”ロゴス”や・・父と・・・同じ・・・。」

父の呪縛からいつ解き放たれるのだろう・・・一生背負っていきそうだなぁ(泣)

○議長の思惑を悟り、自室に戻り”議長の平和な世界”について思い悩むアスラン。
「キラたちにはわかっていたのだ、デュランダル議長が自分たちとは相容れないものであることを。」
それでも平和で満ち足りた世界を示そうとしている議長を迷っている自分が非難できるのか?
「キラと話したい!自分はどうすればいいのか、この流れをどう変えるべきなのか―友と胸を開いて話し合いたい。いまこそ・・・・!」

どうしたってアスランにはキラが一番なのだ。これはもう仕方がないことだね。親も兄弟もいないアスランにはキラが一番近い存在なのだろう。幼馴じみの親友で、先の大戦では一度は殺しあった仲なのに”想いは同じ”とちゃんとわかり合って。またすれ違ってしまったけど、それでも腹を割って話せるのはコイツだけ。男同士の友情は恋人にだって太刀打ちできない何かがあるのだよ、きっと。いいなぁ、そういうの。

○デスティニーに撃墜され、アークエンジェルで意識を取り戻し「おまえ・・死ん・・だ」とキラに言うアスラン。
『大丈夫だよ、アスラン!きみ、ちゃんと生きてるって!』と言うキラに対して
「・・・・誰が自分のことなど言っていると思うのだ。だがこの微妙にズレだところも、たしかにキラだ。ほっとして微笑んだ」


間違いなくこのシーン、アスラン微笑んでる!そのときは「なんで笑うんだろう?」と思っていたのだけど、おもいっきり納得(笑) キラの言葉は「ちょっと噛み合っていないよなぁ」とも思っていたわけで、それは「キラが生きていた」という”嬉しさ”からだけではなく、その”ズレ”にキラを確信して笑ったのだね。思い付きもしなかった。細かいことだけどキラの設定どおり。まだまだだなぁ、私。

○アスランとカガリの再会
「罪悪感から目をそらした」

・・・やっぱり罪悪感だったかぁ。痛てててて・・・

○アスランとカガリ、二人の会話に思うアスラン。
「カガリは変わった―と感じる」
「あのときから自分は、どれほど変わってしまったんだろう・・・?」
「あのときから彼女は、どれほど変わってしまったんだろう・・・?」
そんなふうに思いながらも自分が死んだりしたら、カガリがどれほど悲しむか・・・確信できることに幸せを感じるアスラン。


アスランの気持ちは「リフレイン」やレビュー時で想像したものほぼその通り。焦りのあまり、周囲が見えなくなっていた自分の愚かさを悔やむアスラン。
”戦争を終わらせたい、大切なものを守りたい。望むものは誰もが一緒だというに”という想い。やっぱり痛い・・・

○アス・キラ(1)「キラ、行け!」
「アスランはわかっていてくれる。その思いがキラに、失ったと思った力を与えてくれる。」

キラにとってもアスランは唯一の理解者なんだよね。(ラクスはまた別もの)

○アス・キラ(2)「フリーダム・・・キラか!?」
「安堵のあまり、シートに沈み込んだ。キラだ、キラが来てくれた」

カガリがデスティニーに撃たれそうになった危機一髪のところに現れるお約束の場面。
キラにおける絶対的信頼感。ゆるぎない。キラひとりで百人力だけど、対ザフトでの戦局が有利になったとは思えないけどね、本当は。

○アス・キラ(3)「なにかしたいと思ったとき、なにもできなかったらそれが一番辛くない?」
「キラにはわかってる。同じように戦いを憎み、それでもなお戦い続けてきた友は、わかっているのだ。」
「戦いたくない、だが、力がないことにも苦しみを感じずにはいられない」
「カガリが墜されそうになったとき、自分はたしかにそれを欲したのではなかったか?」


アスランの決意を促したのはやはり”キラの言葉”・・・もう言うことありません(笑)

○アス・ラク(1) 「アスランでしょう?」
女は決して憐れまない。ただ事実のみを差し出す」
「戦士であることと、自分自身であること、それは同一ではないが別でもない。」
「たとえ戦士でなかろうと、カガリやキラの自分に対する気持ちに変わりはないだろう。対して、議長には意味のないことでも。」

○アス・ラク(2)「俺は・・・アスラン・ザラ、ジャスティス、出る!」
「カガリ・キラ・ラクスは自分が力を嫌悪していることを知っている、けれど、同時にこの状況の中、力に背を向けて、閉ざし、終えてしまったら・・」
「誰が許してくれようとも自分は、そんなアスラン・ザラを認めない」
「体より心―そうでしょう?アスラン?」
「本当に彼女にはなにもかもわかっているようだ。ラクスに感謝をこめてうなずく。」

実は”アスラク”が好きだったりする。もちろんペアとしてはアスカガしか考えられないけれど、キラ同様、ラスクもアスランには大切な人だと思う。いつも自分を導いてくれる人であり、突き放す人。ただアスランにとっては理解の範疇をこえた”摩訶不思議な存在”でもあるのだろうなぁ。不思議ちゃんは不思議ちゃん同士でいいのだね、やっぱ(笑)

○アス・キラ(4)「キラとなら一緒に乗り越えられる」
「キラとこれで話せる」
「大丈夫、何とかなる。キラと―友といっしょになれば、きっとなにかができる・・・・。シンを救うことも、破滅へ流れてく世界をとめることも。」

「今こそ、キラと話したい」とザフトから脱走。そこからここに行き付くまでの道のりは、遠く長く辛かっただろうなぁ、アスラン。
やっぱりアスキラが一番。離れちゃいけない二人だよ。
いっしょなら最強コンビなのにどうしてこんなことになっちゃったのか・・・・だからカガリとも・・・・痛い痛いデスティニー・・・

アスラン中心という独断と偏見でお送りいたしました(笑)
思い入れが有りすぎて”アスラン”だけでこんなに長くなっちゃて・・・(汗)
・ ・・我ながらここまで“アスラン”に思い入れることになろうとは夢にも思っていなかったりして。

後日、“全体版”をお送りいたします。(なんとか平均的に)
また、しばしお待ちください。

|

« ちょっとだけBLOOD+6話「お父さんの手」 | トップページ | 小説版「機動戦士ガンダムSEED DESTINY(4)示される世界」(ミネルバサイド編) »

コメント

 たいむさん、こんばんは。瀬無です。
 アスランだけでこんなに書けるなんて……流石はたいむさん!

>”再び剣を取る”ということは「守ることでなく、攻めること」……
 やっぱりそうだったんですねー。
 そこまで決意していながらも、徹しきれなかったのは、アスランの弱みでもあり・良いところなのかもしれません。

 ルナマリアに言われたように、権限もそれを活かす力もあったのですから……。
 キラと一緒じゃなければ、その力を十分に発揮できない……というのは、もったいないなーと思ってしまいます。

 本放送当時には、再びザフトから離れたアスランをイザークが一発殴る(!)という噂もながれていましたが……。
 できれば、キラ・ラクを抜きにして決意に至ってくれる姿を見てみたい気がします。

>「おまえ・・死ん・・だ」
 自分もなんで笑っているんだろうと思ってましたが……本当に納得です(笑)
 ズレから確信って、本当にスゴイですよ!!

 seedって、男同士のつながりの描写の方がうまいかも……と邪念が心にうまれてきてしまいます(えー)
 前作のイザークとの対話(キラを倒した後)を思い出してしまう、友情イベントだと思います。

>強すぎる力は争いを呼ぶ
 後のラクス派(ドムや多数の艦艇)&アカツキ・フリーダム・ジャスティスの暴れっぷりをみてしまった後だと……あんまり弁解できないような(!?)気がします。
 だからこそ、最終回では議長打倒後の世界がどうなったのかとか、描いて欲しかったのですが……。

投稿: 瀬無 | 2005/11/15 07:33

たいむさん、こんにちは〜。
わ〜い、アスランだらけ〜。4巻読んでると、ほんとにDESTINYはアスランが物語を引っ張っているんだなっていうことが再確認できますよね。

小説版1〜2巻はアスカガ描写が多かったのですが、4巻になると本編に準じてアスカガ間に距離が感じられるようになって痛々しいですよぉ。

その分、アスキラ倍増中(^^;; 天然キラ描写、楽しいですよね。ここら辺はスーツCDのチビアスキラのやりとりを連想させますね〜。

アスランとラクスは遺伝子によって定められた最凶(アスランにとって)のカップルですよ、きっと。ラクスによる容赦のないアスランいじめは私、結構好きです。

投稿: Moko | 2005/11/15 12:18

■瀬無さん、こんばんは♪
コメントありがとうございます。

>キラと一緒じゃなければ、その力を十分に発揮できない
アスランは必要以上には”欲”が無いですからね。”欲した力”でもむやみに使うようなことはしないのがアスランですし。
本来望む世界はキラたちと同じで、その望みほど困難なものはなく・・・そうなるとキラと共に戦うときは、持っている力を全開しなければならない。2人そろうと相乗効果が生まれるから”キラ”と一緒が強調されちゃうのよね。
発揮できない・・というより無意識の出し惜しみ?(笑)と私は思う。(贔屓目w)
優秀なのに世渡りベタ。だから裏目にばかりでてしまったデスティニー(痛)


>seedって、男同士のつながりの描写の方がうまいかも
アス・キラもそうだし、アス・イザ・ディアもそうだし、グッと心を鷲掴みするエピソードが時折あるのが嬉しいですよね。

>ラクス派(ドムや多数の艦艇)&アカツキ・フリーダム・ジャスティスの暴れっぷり
ソフトもハードもおまえらが一番強い力を隠し持ってるじゃないか!って感じね。
・・・私的にはOKだけど(笑)確かに微妙に間違ってますね。

>だからこそ、最終回では議長打倒後の世界がどうなったのかとか・・・
まったくです。その強い力で君臨するのではとんだ茶番ですからね。

投稿: たいむ(管理人) | 2005/11/15 20:33

■Mokoさん、こんはんば♪
コメントどうも!
>DESTINYはアスランが物語を引っ張っているんだな
ここまではね(笑)後はキラにお任せ?

>4巻になると本編に準じてアスカガ間に距離が感じられる
「変わった」という表現がいっぱい出てきますからねぇ。悲しい。

>スーツCDのチビアスキラのやりとりを連想させますね〜。
そうなんですよ!丁度聞けて嬉しかったです。
まんま、なんだなぁって。やっとわかりました。
この後はやたらとアスキラの会話多いし(だって話したかったんだもんね、アスラン)萌えまくりそう・・・(汗)
特に月でのエピソードはもっと楽しく見れそうです。

アスラクも定められた最凶のカップルですか、やっぱり(笑)
けど、アスランって結構ラクスのこと好きだったし、今でも好きなんじゃないかなって思う今日この頃。(恋愛感情ではなく)
それは昔のラクスの天然さに”キラ”を見ていたからでは?なんて思ってしまったりして・・・結局はアスキラか♪

投稿: たいむ(管理人) | 2005/11/15 20:49

こんばんは! たいむさん。
小説のレビューとっても分かりやすかったです。時々ですが、アスランのカガリへの偽りない思いがちりばめられているのを知って、とりあえずほっとしちゃった私…。アニメでは分かりにくかったけど、ちゃんとカガリのこと想ってたんですね。
小説の方は、まだ完結はしていないんですね。やっぱり、議長の死で終わるのでしょうか…。
いろいろ放り出している問題にも、少し片をつけていただけると、ありがたいんですけどね。
ではでは(^_^)/~

投稿: 農家の嫁 | 2005/11/15 23:52

■農家のお嫁さん、こんばんは♪
またしても長い記事にお付き合いいただき、ありがとうございます。”わかりやすい”と言ってったいただいただけで、書いたカイがあるというものです(笑)

>アスランのカガリへの偽りない思いがちりばめられている
小説の楽しみはまずコレですから(笑)

>いろいろ放り出している問題にも
5巻でどのくらい補足されるのか・・・DVDの前だと予想しているので、多分同じところまでかな?と思いますが・・・。

続きがあるので、よろしければそちらも宜しく!(爆)・・・あと2回(なが~~)

投稿: たいむ(管理人) | 2005/11/16 00:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106009/7115713

この記事へのトラックバック一覧です: 小説版「機動戦士ガンダムSEED DESTINY(4)示される世界」(アスラン中心編):

» 小説版 seed destiny(4)「示される世界」 [こよみ2文]
「アスランの鈍感っ!」 「ちっちっち…お姉ちゃん、女は度胸なんだから。ここ一番で踏み込みが足りなかった己の甘さを呪うべきだよ~☆」 「ううっ……」... [続きを読む]

受信: 2005/11/15 06:42

» プロフェッショナルっす [暁のSTARSHIP TROOPER]
 パブリック・ファイナンスに関連した数百ページもある、カドに頭をぶつけたら血が出るんじゃないかと思う位分厚い専門書とともに、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の小説第4巻も購入。  小説版「DESTINY」はテレビシリーズを忠実に追ったものだから、ストーリーの描写の物足りないと感じた部分を補完するにはよきツールでありましょう。(ざっと斜め読みしますた)  内容に関してはたいむさんのブログ... [続きを読む]

受信: 2005/11/19 23:12

« ちょっとだけBLOOD+6話「お父さんの手」 | トップページ | 小説版「機動戦士ガンダムSEED DESTINY(4)示される世界」(ミネルバサイド編) »