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2005/10/14

「運命じゃない人」やっとみた。

destiny いつもお世話になっている あかん隊さん に情報をいただき、楽しみにしていた映画「運命じゃない人」がやっと新潟でも公開になった。
まずこのタイトルに心が惹かれた。あえて、”じゃない”と言うのがなんともいい!
実際に鑑賞し終わって、確かに”じゃない”のだけど、それを”運命”と言うなら”運命”でもいいんじゃない?って気にもなってくる、不思議な作品。でもこれ、面白い。

あらすじ・・は一応ある。ほんの一晩に起こった出来事。ちょっとした出会いから始まり、最後にオチまでちゃんとある。大筋は2000万円の行方。それにとにかく何らかの形で関わってしまった人々の物語。
一晩に起こった(あまり日常ではない)同じ出来事、同じ時間を、3人の男がそれぞれ主人公となり、3つの物語を展開している。(時間については多少の前後も含まれるが)

半年前に失恋していまだウジウジしている男「宮田」
宮田の中学からの友人で探偵を商売にしている男「神田」
宮田の失恋相手を愛人にもつ弱小暴力団組長「浅井」

それぞれのパートに別の二人も脇役として登場する。
3つの物語を進行していくうえで、視点を変えて”同じ場面”が何度も登場するのが新鮮で面白い。同じ場面なのだけど違うのだ。(まったく同じ場面もあるけれど)
例えば電話。”掛けた側”と”受けた側”それぞれののパートでは逆になる。
宮田バージョンで、宮田が神田から受けた電話。そこでは淡々と会話が行われている(ように思われる)しかし、神田バージョンでのその電話、神田が宮谷に電話を掛けた時の状況は、のっぴきならない状態の中からだった、いうような裏事情が明らかになったりする。
全体的にその繰り返し。視点が違うというだけなのに、見えない部分が見えてくる・・そこから生まれるスリル感(とでも言うのだろうか?)そんなところに大爆笑ではない”くすくす笑い”的可笑しさ秘められている。伏線であって伏線でなし。脇を通過しただけの車でさえ侮れないのだ。

1歩進んで2歩下がる。それでも時間は少しずつ進んで行き、そして最後の最後には”振り出しに戻っちゃうのか?”そんな気分にさせられた時に唐突に終わろうとする。が、しっかり振り払ってくれるので最終的にはスッキリ。そして幸せを祈りたくなる。
”うん、面白かったね”そういう作品だと思う。

時間の流れは誰にでも平等で、その存在は同じなのだけど、個人個人に流れている時間は別のもの。同じ時間、同じ体験、同じもの、を見ているハズなのに、それぞれに思惑から違ったもの、違った結果になってしまう、というのはどこか皮肉なものだ。

物事を色々な視点・角度から見るという事は、日常でもビジネスでもとても大切なことだと思う。けれど、それが人と人の場合では、「知らなくていいこと」「知らないほうがいいこと」があるんじゃないかな?と、そんな気持ちにもさせた作品だった。

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コメント

コレも舞台や映像の面白さを十分に使った話みたいね。
辻さんと誰かさんの二人の作家が書いた作品が男と女の視点からだったな。
読もうと思って図書館に行ったら貸し出し中だったの。

今日はまんだらけでロマンアルバムSEEDストライク編を見つけたし、
サントラやOPの限定版も見つけました。
アニメイトではムウのミニクリアポスターを発見。コレが一番うれしい!
相変わらず、SEEDから離れられない毎日です。

投稿: 千羽鶴 | 2005/10/14 23:12

うはー! 恥ずかしいデスよ。露出度高いし。
自分以外にもたくさんの方が、「良い」と評価されてますのに。。。
気に入っていただけたようで、嬉しく思います。覚えておいて、使いたい台詞満載でした。便利屋さんみたいな「山ちゃん」といい、タクシーのドライバーさんといい、とっても楽しいです。携帯電話がなかったら、ありえない世界ですけどね。(笑)

投稿: あかん隊 | 2005/10/14 23:15

■千鶴さん♪
「冷静と情熱のあいだ」のことを言っているのかな?
この作品はそれともまたちょっと違うんだけど・・・時間j軸が絡んでいるだけに、ちょっとうまく表現できませんね。


投稿: たいむ | 2005/10/14 23:27

■あかん隊さん♪
すみませんw!!無断でお名前を前面に打ち出してしまいました(笑)
でも大丈夫。ここはそんなに訪問者多くないですし、すぐに沈みますから(爆)
ご迷惑なら削除しますが・・問題ないですよね(強引ww)

「(11桁の)電話番号をなめんなよ」

神田は特にいいセリフいっぱいでしたね。


投稿: たいむ | 2005/10/14 23:33

はじめまして。
TB&コメントありがとうございました。
なるほど~ 主人公は3人の男どもだったのかぁ。
タイムさんの記事を読んで、深く納得してしまいました。
勢いだけの私の記事とはエライ違いだなぁ~と(笑)
主役が神田になってますしね。
ラスト・・・続きが気になりますが、知らなくていいことかもしれませんね。

投稿: みほ | 2005/10/14 23:48

初めまして!
あかん隊サマのところから飛んできました。
私は派手な大作よりも、こういう少人数で緻密に作られたお話が好みなんですよ。
そして上質のユーモアがあれば、もう言うことなし!
なので、この映画はかなりお気に入りです。

投稿: snowflower_001 | 2005/10/15 01:06

コメントありがとうございます。
こうした独創性のある若手監督にはどんどん進出してきてもらいたいですね~
気に入りました!

投稿: kossy | 2005/10/15 06:49

TBありがとうございます^^
これは、ほんっと拾い物な面白い映画でしたね♪
立場を変えれば、こんなに広がってしまう世界が
とっても楽しめました。
宮田くんがとっても地味だから(笑)最初はどーよっ!って
思ってたのに、世界にひきずりこまれますね~

投稿: にゃんこ | 2005/10/15 07:14

こんにちは♪
TBありがとうございました。
この映画大好きです~。
もう一度劇場で見たいと思っているのですが、なかなか時間が取れません。
チェックしたいシーンがいくつかあるんですが(笑)
一押しキャラはパンツ一丁で頑張った神田君ですかねぇ?
格言も鋭いものが多いし!

投稿: ミチ | 2005/10/15 07:21

■みほさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます。

>主人公は3人の男どもだったのかぁ。
そういわれると、自信がなくなりそう(笑)
誰もが主人公で誰もが脇役ですからねぇ。

たしかに「神田」がどのパートでも活躍(?)してましたよね。いいこと言うしw
彼が真の主人公かもしれません!
神田中心のみほさんの記事面白かったです。

投稿: たいむ | 2005/10/15 13:15

■snowflower_001さん、はじめまして♪
コメントありがとうございます。

BGMとかも素朴で、邪魔にならない、心に残らない(笑)そんな感じで、ちょっとだけ心の動きに合わせた感じ(特に宮田)がよかったですね。
長すぎず、短すぎず、いい感じです。


■kossyさん、こんにちは♪
コメント&TB(&TB)どうもありがとうございます。
>こうした独創性のある若手監督
こういった感性でいくのなら、次回作も期待したいですね。けれど、どんどん欲が出て進化していってしまうのでしょうねぇ。良い方向にならいいのですけど。

投稿: たいむ | 2005/10/15 13:27

■にゃんこさん、はじめまして♪
コメントありがとうございます。
紹介されて、タイトルに惹かれて観に行きました。なんの入れ知恵もなく、この意外な展開に最初は唖然。地味ですしね~
でも同じく、この時系列のあるようなないような世界に引き込まれていきました。
個人的に宮田君、好きですね。もちろん神田はいい。浅井の本音と建前も微笑ましかったし・・・どれもいい!


■ミチさん、はじめまして♪
コメントありがとうございます。
DVDでじっくりと見たい感じもします。
おっしゃるように全体を通して頑張ったのは「神田」かもしれませんね。
彼の本音も気になりますが、やはり知らなくていいかもしれませんw
あの格言的セリフ集、ほしいかもw

投稿: たいむ | 2005/10/15 13:54

あ、それです。
そうですか。百聞は一見にしかず。

今日はアークエンジェルのプラモを2割引で買ったの。
そういえば、アスラン写真集がまんだらけにあったよ。いりますか?

投稿: 千羽鶴 | 2005/10/15 17:22

■千鶴さん♪
>百聞は一見にしかず。
まあ、そういうことになりますねw

>アスラン写真集
どうもありがとう。
でもお気持ちだけで結構です(笑)

投稿: たいむ | 2005/10/15 19:01

宮田が真紀のケータイ番号を聞いて小躍りするシーンを宮田視点から見ると微笑ましいのに、浅井親分視点から見るとこんなにも滑稽というのが結構面白かったです。

それにしてもあの組長の着メロ。
どこかでダウンロードできないかな?

投稿: にゃむばなな | 2009/05/10 17:26

■にゃむばななさん、こんにちはsun
見損ねたミニシアター系の邦画をお楽しみ中ですか?

>あの組長の着メロ。
えーん、どんな曲か思い出せません(><)
あーん、なんだか見直したくなってきました。

それより、こんな古い記事・・・読むのも読まれるのも恥ずかしいかも~~
全然今と書き方が違いますよね(^^;

投稿: たいむ(管理人) | 2009/05/11 17:06

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