I was led astray by bad dairections.
(いいかげんな道案内で、私は道に迷ってしまった・・・byエリカ・シモンズ)
「王道ではない」=ASTRAY
唐突に思いたってスニーカー文庫版「機動戦士ガンダムSEED-ASTRAY」を読み返してみた。薄いからすぐに読破。
”SEED”の小説は何度か読み直したけれど、この”ASTRAY”は一度さぁーっと読んだきり。SEED本編との絡みがあるけれど、それほど絡んでいるわけでもなく”とりあえず”だったから。
今更読み直したのには理由がある。”別の角度の世界を感じたい”そんな感じ。
最近観た映画から、「世界はひとつじゃないんだ」改めてそんな風に思った。当たり前のことなんだけど。
そして逆に「世界ってあくまでも自分を中心に回っているんだなぁ。」そう思った。(自己中心的発想ではなく)そしてそれはクルーゼの「人は己の知ることしか知らぬ」に通じる。
”ASTRAY”はSEED本編と同じ時間の中、別の場所(時には同じ場所)での”別の戦い”を描いた物語。主人公は「叢雲劾(むらくもがい)」コーディネイター。しかし連合でもザフトでもなく、”傭兵”としてその時々で立場を変える。その”傭兵”の中でも超一流の傭兵部隊が”サーペントテール”であり、「刻」はそのリーダーでもある。
ヘリオポリスのモルゲンレーテ社にて、連合の”GATシリーズ”と共に、オーブがその技術をも流用し、独自で極秘開発していた機体が”ASTRAY”。その破壊・消去という任務の途中、思いがけず”クルーゼ隊によるヘリオポリス襲撃~崩壊”から事態が変化し、逆にジャンク屋「ロウ」から破壊するはずだったその「ASTRAY・ブルーフレーム」を「刻」が譲り受けることになる。(ちなみにこのジャンク屋「ロウ・ギュール」はナチュラルながら「ASTRAY・レッドフレーム」を駆り、これもまた数奇な人生を送ることになる。また”イージス”の自爆攻撃後、「キラ」を”ストライク”から救出したのは「ロウ」ということになっている)
この時点で「ASTRAY」は3機。赤・青・そして”金(ゴールドフレーム)”
そんなことはすっかり忘れていたので、読み始めてすぐに《ヘリオポリスを脱出した、片腕で”金色”のボディーを持つMS》と記述を見たときに「”アカツキ”かぁ!?」と一瞬驚く。(が、よく考えなくてもそんなハズはないのだよ。そんな設定がこの時点であるわきゃない、ってね。)
”サーペントテール”のメンバーとして「イライジャ」「リード」「ロレッタ」「風花」が登場する。どのキャラクターも個性的で一癖ある者たちばかり。
SEED本編からの特別出演としては「エリカ・シモンズ」何度も登場し関係が深い。(ASTRAYなのだから当たり前かもしれないが)
キャラクターごとに(全員ではないけれど)それぞれのエピソードがあり、時にはホロっとくるものがある。それぞれには”それぞれの世界”があり、”それぞれの想い”があるから。
そして、”刻の敵”として登場する「ソキウス」達。彼らもコーディネイターだ。まったく本編には登場しないものだけど、それらとSEDD本編との関係性にはあっと驚くものがある。ここにも”彼らだけの世界と想い”がある。
「刻」そして「ソキウス」達は、《L4・メンデル》で連合の手(おそらくブルーコスモス)によって遺伝子操作された【戦闘用コーディネイター】として生まれたものである。(と後半で「刻」より明かされる)
もともとコーディネイターは”ナチュラル”の手によって作り出されたのだから、不思議でもなんでもないけれど、遺伝子操作の内容は(今思えば)”デスティニープラン”に近いものであり、なんだか遣り切れない思いがした。本当に今更だけど。
「刻」は”自我”が強く、ある意味失敗作であり、だからそこから脱出をはかり現在に至る、ということらしい。それは「キラ」の知らない世界であり(知ってどうなるものでもないが)、SEED本編の「キラ」って何だかんだ言ってもやっぱりすごく”幸運な存在”なのだなぁ、と思ったりした。
「刻」が”最強のコーディネイター”として、「ソキウス」からの挑戦状を受けた時、”自分と「キラ」はどちらが強いだろう?”そう思うところがある(その考えは直ぐ思考停止するが)
SEED本編では「キラ」は”最高のコーディネイター”であり、おそらく”最強”だ。でもふとその”最高”って何を定義したものだろう?ちょっと疑問だったりする。「キラ」は【戦闘】も含め、ありとあらゆる【資質】を埋め込まれたコーディネイターということだろうか?
”どちらが強いか”SEED本編好きとしてはそれも含め「キラ」でしょ、と即答したくなるけど”戦闘だけ”を考えた場合、”フリーダム”と”ASTRAY”では機体に差があり過ぎで比べようもない。(”ストライク”と”イージス”つまりは「キラ」と「アスラン」だって”種割れ”後は互角だったのだし、「刻」が特別なコーディネイターである限り、その分野なら判らんぞ・・・と思ったりする)
とあるブログさんで”ストライク・フリーダム”と”インフニット・ジャスティス”どちらが強いか?というやり取りを見た。さらに”デスティニー”も加え、どれが最強か?そんなところにまで発展。MSに詳しい方々ばかりの会話で、MS毎に装備したありとあらゆる武器を駆使し結果を想像、が、やはりパイロットの資質も無視できない。「アスラン」はドラグーンの攻撃を回避できるのか?とか(一度も攻撃受けてないでしょ、確か)すごく面白かった。最終的には”贔屓”という反則技が登場し(笑)やはり「キラ」で決着か。(と私は思ってはいるけど結論は出ていないに等しい。それぞれ思い入れがあるしw)
・・・・・まぁ個人的には「キラ」と「アスラン」の戦いは2度と見たくないので、”決着”云々の前に”その戦い事体がありえない”と言うのが本音(爆)
(話がそれたけど)とにかくSEED本編の裏には、これだけの世界と人がうごめいている。その設定を”知らない”のは勿体無い。そういうことだ。(ま、これは知らなくても誰も困らない、知っていても”自己満足の世界”とも言うかw)
そして、それは”SEEDの世界”に限らず、すべての世界、”現実の世界”においても同じことなのだと思う。
最初に触れた”映画を観た後”にも思ったことなのだけれど「知っていたらもっと楽しいこと」がある。けれど、世の中には「知らなくていいこと」「知らない方がいいこと」もあると思う。また更に「知っていなければならないこと」もある。
「知らない」ことは時には「罪」だったりもするから・・・難しいものだ。
人は(もちろん私自身も含め)「知らない」ことに意外に鈍感だ。「知らない」ということを「知らない」。けれど人は”知りたい・”知ろう”とする心”好奇心”と”探究心”を持っている。”知ろうとする”のか、”知らないまま”でいいのか、まず判断を下す”自分”が必要だ。「知らなきゃよかった・・・」そんな言葉も人はよく使うのだから。
「知らず」に「知っていることだけ」で”平和?”に過ごすのと、まず「知る」努力で苦労し、「知って」楽しくなることもあれば、「知って」しまったがゆえに苦悩することもある。一体どちらが”幸せ”だろうか?
”ASTRAY”からなんだかとんでもない方向へ話が飛んでいってしまったけれど、秋の夜長に久々に長~いもの思い。
さて、私はというと・・・ちょっと簡単な「知る」努力をすることを”選択”しよう。
次は「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRSY(1)」が私を待っているのだから(笑)
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