「姑獲鳥の夏」みた。
大好きな京極夏彦の作品の映画化第2弾「姑獲鳥の夏」
第1弾の「嗤う伊右衛門」とはまるっきり違うものでした。(あっちは時代劇だし・・?)
あらすじは以前にも語っているので省略 (こちらを参照)※「京極堂」
まず、散々言われてきた”キャスト”のこと。
京極堂(中禅寺秋彦)・・・堤真一 ○
まぁ、「健康的な京極堂だなぁ・・」だけれども、私は嫌いじゃない。
でも「×××だよ、関口巽」というセリフのたびに「×××だよ、鈴木島男」と聞こえて仕方がなかったww
原作の”姑獲鳥”ではあまり明るい感じのない京極堂だけれど、”百器徒然袋”では堪え切れずに後姿で肩を揺らして笑うお茶目ところもあるし、関口君のしびれた足を突っつく意地悪さもあるので、”堤真一”でもまぁいいんじゃない?って感じ。
ただ、やっぱし憑き物落としの衣装は「黒」じゃないとねぇ・・・
関口巽・・・永瀬正敏 ◎
関口君、いいオドオド加減は噂どおりよく出てました。はまり役か?というと、ちょっと見た目がりりしい関口君なので、もし今後も続くのなら(?)かなりダメダメ度とへんなトコロに雄弁度を出さないとかなぁ?でも上手かった!
榎木津礼次郎・・・阿部 寛 ○
やっぱり弾け方が足りませんねぇ、ぜんぜん。もっと原作どおり”奇人変人”にして欲しかったな。関口君の「あの人を巻き込むとロクなことがない」というようなセリフがぜんぜん生きてません。阿部ちゃんも好きだから期待してただけに残念!
木場修太郎・・・宮迫博之 △
若干顔が四角いから?ってことなのかな。少しガラの悪い刑事ってだけで、やっぱり木場の旦那とは遠いかも。榎木津との絡みも普通に仲良しだし・・あの口喧嘩が好きなのに。この2人の幼馴染の腐れ縁的場面はなかったからなぁ。関口君とは軍隊での上司部下の関係が無理やりあったけど(それならこっちもなくていいんじゃない?)
中禅寺敦子・・・田中麗奈 △
敦子って・・あんなに馴れ馴れしかったっけ?もう少し節度ある態度だったような印象だったのだけど。原作のイメージを守る為に帽子に中途半端に髪の毛を突っ込むのはどうかと。ポニーテールならそれでいいじゃん!って感じでした。(田中麗奈はイメージ的には悪くないのだけど)
原田知世・・・久遠寺涼子(梗子) ○
清楚なイメージはまさにはハマッてました。が、3人格の変化がイマイチわからない。今はだれ?って感じ。もう少しメイクで色つける、とかしてもよかったかと。あそこまで色とりどりに視覚効果してるんだから。
いしだあゆみ・・・久遠寺菊乃 ◎
ウマイ!そして怖いw。見事に演じてらっしゃいました!
そして、番外
原澤・・・寺島 進
「交渉人真下正義」でもいい味出してましたが、今回も出番は少ないけどいい味出てたと思います。注目株ですかねぇ。
傷痍軍人(水木しげる)・・・京極夏彦
”傷痍軍人”という原作にないキャストが”?”扱いになっていたから「なんだろう?」とは思っていたのだけど、こういうことだとは思わなかった(汗)
京極センセ・・・出演するというから、セリフもない通りすがりかと思いきや、バリバリにやってましたね。最初の関口君とぶつかるシーンで気がつかなかったのが悔しい!(京極堂との会談で発見) 腕があるのかないのか気にしてなかったから、水木しげる役だとは最後まで思わなかったww
という感じでしょうか。(ほかのキャストさんはごめんなさい)
で、感想といえば・・・「可もなく不可もなく。」 かなぁ。
原作とは別物と考えるのが一番いいようですね。
アレだけの内容を2時間で収めようとするのが所詮無理な話。過度な期待は禁物。
冒頭から京極の講釈が始まるけれど、内容も中途半端。
せっかくの”仏舎利”の”干菓子”も説明不足で意味不明でしかないから面白くない。
原作の”鬼子の出生の秘密の例え話”のクダリは好きなのに全部カット(泣)
妙なスポットライトの演出効果とオドロオドロシイ音楽は、原作を知らない人でも楽しめるような取り計らいなのだろう。「姑獲鳥の夏」は分類的にはホラー系で括られそうだからなぁ。
総評:★★☆☆☆ オススメ度:★★☆☆☆ (どちらも、オオマケで)
やはり原作ファンとしては物足りない。 ・・・というか、無理っしょ。
追記:そういえばエンドロールに ”世話人 明石××” がありました。
ひょっとして現実の”明石先生”?と思い、心に焼き付けたはずが、名前をけろっと忘れて検索できません。どなたかご存知の方いらっしゃいませんか?
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コメント
TBありがとうございます!
かぶりますよね? 鈴木ダディ。(笑)
こちらの記事を「うん。うん。なるほど」と言いながら拝見。原作を知らないとちんぷんかんぷんかもしれないし、原作を知っていると物足りなさが先にたつし…。
着手して公開に辿り着いただけでも、りっぱなものかもしれないと考えました。
分厚い文庫本、何冊か読みましたけど、まだ読んでいないのがあります。後ろ姿で笑いをこらえる京極堂が出てくるお話は、読んでみたいなー。
投稿: あかん隊 | 2005/07/20 23:56
■あかん隊さん♪
早速のコメントありがとうございます。
>鈴木ダディ
ダディはまだ見てません。予定にもないですww
>原作をしらないとちんぷんかんぷん
意外にそうでもないみたいですよ。不思議と。(・・なことはないハズだけどww)
特に徳川家康はわかりやすい部分みたいですねww
原作も一発でわかる人もすくないと思いますw何度も読み返し納得する、そんな感じでしょうか。そうなると全部理解できないということが”ちんぷんかんぷんでしょ?”て言いたくなるのかもしれませんね。
>”百器徒然袋”は最高ですよ。抱腹絶倒。エノさん大活躍の短編集(一般的には普通位)
でも京極は順番が大事。飛び越えないようにしてくださいww
投稿: たいむ | 2005/07/21 00:15
たいむさん、こんばんは。
当方にご質問いただいた件です。
下記をごらんくださいませ。
http://www.bk1.co.jp/product/2184979/review/236504
(怪しいサイトではござりませぬゆえ…)
当方のブログでもコメントで回答いたしましたが、こちらの方が早いかな、と。
投稿: あかん隊 | 2005/07/21 20:26
■あかん隊さま!!!
まことにありがとうございます!!
やっぱり私の目に狂いはなかった(笑)
あかん隊さんに聞けばなんとかなるかも・・と思っておりましたwww
ヤッパリそうだったんですね!
それにしても気になる本ですね。
無理がいっぱいの内容みたいだけどw。買う勇気は・・とりあえず店頭か図書館を探してみますw
ありがとうございました。
コアなお友達・・・(汗)ww
投稿: たいむ | 2005/07/21 21:01
たいむさん、コメント&TBどうもです。映画はまだ観てませんが、この記事がとても参考になりました。京極堂の衣裳は黒の方がいい、という意見はみんな言ってますね。やっぱりイメージって大事だし!!
投稿: ルリ虫 | 2005/07/21 22:09
■ルリ虫さん♪
コメントありがとうございます。
無理無理TBですみませんww
確かにDVDならDVDでいいかもしれません。
最近は邦画も捨てたものではありませんよ・・・と言いたいところですが、DVDで充分なほうが多いかもしれません(汗)
「踊る大捜査線」シリーズは映画館に出向いて損はないと思いました。
次回「室井」はちょっと暗めだけれど・・
投稿: たいむ | 2005/07/21 23:33
観に行かれたのですね。
京極さんは水木さん役だったんですね!
>「×××だよ、鈴木島男」には笑ってしまいました
もし、行くとしてもレディスデーで充分な事がわかりました(泣)
グッズが可愛いらしいので、それ目当てに行きそうです。
“百器徒然袋”私も好きですよ。
順番抜かすのは厳禁ですよね。
投稿: かの | 2005/07/22 00:13
■かのさん♪
コメントありがとうございますw
>レディスデー
前売りのグッズも気になりますが、基本的には毎回レディスデイがレイトショーで見ていますww
1800円出してまでも見たのは・・SWの先々行くらいですかねぇwww
>“百器徒然袋”
またやって欲しいですよね。
が、今は”ジャミノシズク”が気になりますww
でも”百器”は本名が全部明かされたから今度は何がシークレットになるのかなぁw
投稿: たいむ | 2005/07/22 20:30
>「健康的な京極堂だなぁ・・」
同感です。私のイメージではもっと切れ長の細い目で、神経質っぽい感じなんですが。
阿部寛は「熱海殺人事件」(だったかな?)でハジけた演技をしている(らしい)ので、期待してたんですが、そうですか、ハジけ方足りませんでしたか。残念!
投稿: batasy | 2005/07/23 01:01
■batasyさん♪
>阿部寛は「熱海殺人事件」(だったかな?)でハジけた演技をしている(らしい)
そうなんですよね。
カッコイイし、”TRICK”の上田もいい味出してたから期待していただけにねぇ。
ほかに榎木津役が思い当たらない・・といえば当たらないから・・・
と思っていたのだけど、あるブログさんで、「及川ミッチー」というのはどうか?とありました。
意外にいいかも??奇声あげて壊れた感じを出せそうですよねww
投稿: たいむ | 2005/07/23 16:07
レビューをまだUPしていないにもかかわらずTBありがとうございます。
今『姑獲鳥の夏』について散々語っているところですので、かたがつきましたら改めてレビューをUPします。
先ずはご挨拶まで。
投稿: 健太郎 | 2005/07/23 22:58
■健太郎さん、いらっしゃいませ♪
レビュー完成したらぜひTBをお願いします。
姑獲鳥・・意外にも京極ワールドを語りたいです!!
投稿: たいむ | 2005/07/24 00:13
はじめまして
世話人:明石散人
ってありましたよ
敦子は関口君や榎さんにタメ口なんかききません。なんであんなにしちゃたんでしょうかね~
TBさせてもらいました。
投稿: 花酔月 | 2005/07/24 02:35
■花酔月さん、いらっしゃいませ♪
>世話人:明石散人
情報ありがとうございます。
>タメ口なんかききません
ですよね!唯一アニキにだけ食って掛かるけどw あんなダメダメ関口君にだって「先生」としてちゃんと扱って(笑)ますよね。
麗奈はイメージあっているのだけど、なんであんな風にしちゃったんだか・・・はぅ。
投稿: たいむ | 2005/07/24 09:38
コメント&トラックバックありがとうございました。
読者のイメージは千差万別なのだから批判も仕方ないと思いますが,京極作品はアンチオカルトなのにもかかわらず、、なぜかオカルトファンが喜んで読んでいる。この奇妙な現象がこの映画によって断ち切れればと願ってやみません。
「この世には不思議なことなどない」これに尽きますよね~。
投稿: まつさん | 2005/07/27 08:42
■まつさん♪
こちらこそ、ありがとうございます。
>京極作品はアンチオカルト
そうなんですよね。
でもオカルトの本来の意味をどれだけ知っているのか・・・
>「この世には不思議なことなどない」
ええ!そして”奇跡は起こらないから奇跡”
これです。
投稿: たいむ | 2005/07/27 21:53